西東京市多文化共生センター |
┌-------------------┐ NIMIC通信 No.102(2014年12月号) └-------------------┘ ┏┏┏ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏ [14] キーワードを読む 「多文化共生」について理解を深めるために(96) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第96回目の今回は、南米コロンビアに生きる少年を主人公にした児童書です。 「雨あがりのメデジン」アルフレッド・ゴメス=セルダ作 宇野和美訳 鈴木出版 2011年12月 南米コロンビアの第二の都市メデジンは人口200万で、常に緑にあふれた美しい町ですが、貧困・暴力・麻薬・犯罪など多くの社会問題を抱えています。 山の斜面には小屋が密集したバリオと呼ばれる地域がありますが、そこにケーブルがとおり、大きな図書館が出来ました。 このバリオに暮らす10歳の少年カミーロと親友アンドレスの日々を描くことで、バリオという地域や彼らを取り巻く状況がさーっと立ち上がってきて、二人から目が離せなくなります。 大変読みやすいので、日本の大人の方にも是非読んでいただきたい本です。 先日、スペイン語の翻訳家でこの本の訳者でもある宇野和美さんの講演会に行きました。 ラテンアメリカの国々では「生きのびること」が児童文学の大きなテーマとなっており、取り巻く環境が非常に違う日本の同年代の子どもたちの共感が得られるか、商業的に成り立つかということを日本の出版社が危惧するため、なかなか出版してもらえないとのことでした。 児童文学には、作者の基本的な物の考え方がストレートに表れて、その社会への理解が深まると私は思っています。 だから、その国の人々に受け入れられている児童文学であるなら、読者を子どもだけに限定せずに、ぜひ日本で紹介して欲しいと思います。 (NIMIC会員 根本 百合) |
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