西東京市多文化共生センター

┌-------------------┐
  NIMIC通信 No.123(2016年10月号)
└-------------------┘
┏┏ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ [14] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(117)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。
 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第117回目の今回は、イギリスで2011年に出版された児童書をご紹介します。主人公はアフリカからの移民の少年たちで、社会状況を反映して生まれた本です。

「君の話をきかせてアーメル」 ニキ・コーンウェル作
 渋谷弘子訳 文研出版 2016年7月
     
 舞台はイギリスのある中学校。4年前にルワンダからイギリスへやって来たクリストフのクラスに、コンゴからの転校生アーメルが来ました。
 アーメルは英語が出来ないので、先生はフランス語が話せるクリストフの隣に座らせるのですが、アーメルはクリストフにひどく反発し、殴り合いの大喧嘩になるのです。
 ルワンダとコンゴの内戦では、ツチとフツの部族対立で大勢の人々が死に、難民となって国をのがれました。
 クリストフとアーメルの二人は、ともに、その内戦で肉親を殺された経験があったのです。(作者は、アフリカの内戦に対するヨーロッパ人の責任についても言及しています。)
 イギリスと場所は変わりましたが、二人はこれからどうやって生きて行けばいいのでしょうか?
 ほかにも、クラスメイトのコンは北アイルランド紛争で父親を殺されてイングランドへ来ました。
 彼らが探るこれからの生き方とは…?
 様々な国からの難民を受け入れているヨーロッパの国々で、それらの難民は時に住居が隣合い、同じ学校で、職場で出会うことでしょう。
 どんな考え方、心の持ち方で、ともに暮らしていけばいいのか。
 子どもたちだけの問題ではなく、すべての大人が考えなくてはいけない、世界中の大人が考えなくてはいけない問題です。
                       (NIMIC会員 根本百合) 

 
 
 前号の本の紹介文に移る | 書籍の一覧に戻る |  次号の本の紹介文に移る

HOME  |  ABOUTUS  |  ACTIVITIES  |  VOLUNTEER  |  CONTACT  |LINKS

NPO法人 西東京市多文化共生センター     Copyright (C) 2011 NIMIC All Rights Reserved.