西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.139(2018年3月号)
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┏ [8] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(133)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。  この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の 紹介を始めました。
 第133回目の今回は、神田神保町にある内山書店と、 先日私がそこで買った写真集をご紹介します。
〇内山書店 
 神田神保町すずらん通りにある内山書店は中国・アジア専門書店です。
 100周年を迎えたという老舗で、書店の案内パンフには、初代店主と魯迅の ツーショット写真もありました。
 1F向かって左手は中国語で書かれた本、日本の絵本『ぐりとぐら』等の中国 語版もありました。
 中央は両方の語学学習者のためのテキストや練習帳など。
 右手は日本語で書かれた中国や日本に関する本・・・学者やジャーナリストの 書いた本のほかに、留学したり長く滞在したりで中国をよく知る日本人が書い た本、日本の生活が長く日本語がよくできる中国人が書いた本などもあり、視点 や内容が様々で面白かったです。
 2F、3Fにはさらに様々な資料があるようです。
 
写真集『九龍城砦』   宮本隆司 彩流社 2017年7月

 私が内山書店で見つけた写真集です。
 帯には「巨大高層コンクリート・スラム の内部に入り、その姿を活写した伝説の写真集が、デジタルリマスター版にて 装いを新たに復活!」とあります。  (『九龍城砦』1997年平凡社の再出版です。)
 九龍城砦は香港九龍城地区にある城砦跡地にできた巨大なコンクリート・ス ラムです。
 清朝崩壊、香港租借、日本軍の占領、中国の内戦などの歴史の中 で治外法権の場となり、あらゆる難民や犯罪者が逃げ込み、阿片窟、賭博場、 売春宿がはびこり、「東洋のカスバ」「犯罪の巣窟」とも「魔窟」とも称されました。
 無秩序に積み重なったコンクリートの奇異な外観、廊下を覆う配線ケーブル、 東京ドームの半分近い狭さに、一時は約5万人の人々が生活していたという 混沌とした世界。
 モノクロームの写真は迫力に満ちた美しさで引き込まれます が、実際にその場に行って自分の五感で体感したらさぞすごかったことでしょう。
 この本は、1987年から撮影を始め、1993年に取り壊されるところまでを納め てあります。
 今はもう存在しないのですが、この九龍城砦の強烈なイメージは、 今なお小説やアニメ、ゲームなどに影響を与えているそうです。
       (NIMIC会員 根本百合)



 
 
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