西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.91(2014年1月号)
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┏ [6] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(85)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第85回目の今回は、イギリス人一家の3か月にわたる日本滞在記をご紹介します。

 「英国一家、日本を食べる」 マイケル・ブース著 亜紀書房 2013年4月

 著者はイギリス人で、表紙見返しの紹介によると、食への飽くなき好奇心と探究心が身上のフードジャーナリスト。背も高く横幅もある大食漢らしい。
 パリの有名料理学校で1年間修業して三ツ星レストランで働いた体験をつづった著書が、ヨーロッパでベストセラーになったそうです。
 その著者が日本料理に興味を持ち、実際に日本に行って、見て、味わってみようと思いました。妻と6歳と4歳の息子を連れて、8月下旬~10月まで日本で暮らした様子を食を中心に紹介しています。

 東京で3週間、北海道で10日、京都で3週間、大阪・九州・沖縄とめぐり東京へ戻って帰国。日本で最初に食べたのが、新宿の思い出横丁の焼きそばと焼き鳥です。
 相撲部屋を尋ねてチャンコをごちそうになり、寿司、刺身、天ぷら、ラーメンはもちろん、鯨、たこ焼き、お好み焼き、流しそうめん、カニ、ゴーヤチャンプルー、タラの白子まで食べること、食べること。肩書きのおかげか良き案内人も得て、実にいい旅行をしています。
 マイケルさんは服部栄養専門学校や辻調理師専門学校も訪ね、最高の懐石料理を御馳走されて感激しているのですが、舌が感激したのか和食文化・・・料理人の道を究めようとする精神に感激したのか、よくわかりません。
 しかし、この本を読んで嬉しかったのは、妻のリスンさんと二人の子どもたちがこの日本滞在を喜んで楽しく過ごしてくれたことです。
 日本の庶民的なお店の和食を食べて、「ピザもバーガーもナシ」で3か月過ごし、良い思い出ができたのはよかったです。原作は2009年にイギリスで出版されました。

 日本人でも食にこだわらない人もいれば、ここまで食にこだわるイギリス人もいるということがわかりました。最近、アジアからの留学生で、日本語学校を出た後調理師や製菓製パンなどの各種学校へ入る人が増えてきたのは分かっていましたが、そのうちヨーロッパからも若者が和食をめざしてやってくるようになるのでしょうか?なんだか面白そうです。
 (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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