西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.14(2007年6月)
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┏ [7] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑩
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。10回目の今回は、日本文化を改めて考えるための一冊をご紹介します。

『日本人と日本文化』
 司馬遼太郎/ドナルド・キーン 1996 中央公論社文庫 579円
 
 本書は、原型日本人を具体的な歴史背景と人物を描き、歴史の香りを味合わせさせながら日本文化について読みやすく対談しています。
 一例として、日本文化の起源は、平安時代からスタートさせるのが常とされていますが、生活文化を中心に建物・考え方という視点から見ると、茶道、華道、能、狂言などが出てきたり、物事を文字で記録することが大衆化した室町時代からスタートするとしています。この時代の北山文化(足利義満:金閣寺)と東山文化(足利義政:銀閣寺)の金・銀に対する日本人の価値観や美意識について、また1,000年後(現在)の広隆寺の弥勒菩薩を見ての日本人・中国人・韓国人の美意識の違いについて等、本書ではわかりやすく説明しています。
 また、日本という国は、他国へ影響を与えるというよりは、世界史における地理的環境からみて、いろいろなものが溜り、定着する国であるとまとめています。
 20年以上前に初版が出版された本ですが、技術は最先端であっても、グローバル化の激しい波に揉まれ、後れを取っている部分もある現在の日本の姿が理解できる一冊です。                  (NIMIC理事 久保芳昭)

 
 
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