西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.41(2009年9月)
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┏ [7] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(36)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 前回は日本語という言語に深く興味を持っている外国人を紹介しましたが、36回目の今回は人間が大好き、日本の下町の暮らしを120パーセント楽しんでいる人をご紹介します。

『下町の外人さん』 ジム・ハッサウェイ著 志摩千歳訳
    産業編集センター出版部  2000年9月 1,300円
 
 著者は、ニューヨークで美術を学び油絵を描いていたが、日本人の彼女を訪ねて休暇旅行のつもりで来日、そのまま日本に住みついてしまったというアメリカ人。現在はその彼女と結婚して二人のお子さんも生まれ、下町の長屋で暮らしています。長屋暮らしはどの家の事情も筒抜けの町内共同体のような生活・・・みんなが顔見知りで、心が通い合う暮らし・・・その楽しさを満喫しています。
 今は和紙に墨と筆で風景画を描いていますが、線が丸みを帯びて、なんともいえない温かみのある不思議な墨絵です。和紙、墨、筆、硯、表具、風呂桶など下町に住むたくさんの職人さんたちとの交流から、仕事に妥協しない職人気質を素晴らしいと思うとともに、その子どもたちの多くが跡を継がないことを知り、日本の将来を憂えているのです。
 
 軽く読めるエッセイ集なのですが、文化を受け継ぐというのはどういうことか、いろいろと考えさせられる本です。
   (NIMIC会員 根元 百合)



 
 
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