西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.47(2010年3月)
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┏ [6] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(42)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 42回目の今回は、大陸に位置する国境を考える作品です。10代の若者を描く短編集で、児童書ヤングアダルトですが、大人も充分楽しめる1冊です。

『国境まで10マイル —コーラとアボガドの味がする九つの物語—』
  ディヴィッド・ライス作 ゆうきよしこ訳
  福音館書店 2009年出版 1,600円

 メキシコの国境近く、アメリカ合衆国テキサスの〈リオ・グランデ・バレー〉地域に住むメキシコ系の人々の暮らしを描きます。
 解説によると・・・もともとメキシコの一部だったこの地方は1835年に独立戦争を起こし、米墨戦争を経て合衆国の州として併合されました。
 もともとの住民とその後流入した移民からなる多くのメキシコ系住人が、〈テックス・メックス〉として知られるメキシコと南部アメリカの融合文化をかたちづくっており、それは食べ物・音楽・衣服・言葉・宗教(カソリック)など生活全般にわたっているのです。
 スペイン語しか話さずTVもスペイン語放送を聞く祖父母世代、英語と両方話す父母世代、スペイン語もあらかたわかるが英語しか話さない若者たち。国境を越えて毎日アメリカで働くメキシコの人々と、休日にメキシコへ行き床屋へ行ったり安く買い物をするアメリカ市民の、国境を越えるたびに去来する思い。ラテン音楽と極彩色のドレスや花やインコ・・・南国の香りがあふれる青春物語です。
 
     (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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