西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.15(2007年7月)
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もくじ
[1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
[2] イベント報告「留学生ホームビジット」
[3] 講座報告「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」
[4] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から②」
[5] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑤~
[6] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑪
[7] 2007年度・今後の事業予定
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┏ [1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
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 今回は、武蔵野市国際交流協会の自主グループで「生活漢字」を取り上げ、活動をしてこられた皆さんにおいでいただき、生活漢字の活動経緯、活動内容紹介(使用教材・漢字カードの紹介、印象に残ったこと等)、漢字を使った簡単なワークショップなどを計画しています。
 「退屈にならないように、楽しく、参加できる」ことをモットーに活動していらしたボランティアの皆さんから、日々の活動に生かせるヒントがたくさん学べるものと思います。

日時:7月27日(金) 午後1時~3時
会場:イングビル 3階 第1・第2会議室(西東京市南町5-6-18 田無庁舎隣)
テーマ:「生活漢字のワークショップ」
対象者:現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティア、及び経験者等
講師:武蔵野市国際交流協会 漢字グループの皆さん
参加費:NIMIC会員無料/会員でない方は1,000円
定員:40名
申し込み:先着順で受付中です。
メール info@nimic.jp FAX 0422-53-5350まで。

※この講座は西東京市社会福祉協議会「地域福祉活動助成金」を受けています。

★日本語ボランティア・スキルアップ講座について、詳しくはNIMICのHPで。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/nihongokouza.html

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┏ [2] イベント報告「留学生ホームビジット」
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 NIMIC会員の中から「近隣に住んでいる留学生と交流したい」という声を受けて、「留学生ホームビジット」を2007年度のNIMIC事業に取り入れ、6月24日(日)に行いました。
 今年で11回目を迎える「東久留米友好クラブ留学生ホームビジット」を参考にしながら3月から準備に取りかかり、西東京市の共催も得て、受け入れ家庭を募りました。
 市内の13家庭から「留学生と交流したい」という希望が寄せられ、留学生側からも(早稲田大学、成蹊大学、武蔵野大学)応募がありました。アンケートをもとに、受け入れ家庭と留学生とのマッチングをていねいに行い、その結果を6月4日に双方に連絡しました。
 当日はあいにくの小雨模様でしたが、受け入れ家庭、学生とも遅れることなく一堂に会し、それぞれの家庭に向かいました。
 午後6時半、ホームビジット報告会をかねて、一品持ち寄りパーティーが始まりました。テーブルには数々の料理が並び、食べながら、話しながら、ビンゴゲームで盛り上がり、最後に学生代表と受け入れ家族代表からの報告があり、終了しました。
 初めての試みで、いたらないところは数々あったのではないかと思いますが、反省をもって来年、その次と続けていけたらと思っています。
 受け入れ家庭のみなさん、留学生のみなさんそれぞれが、「親善大使」として一日を過ごされたことは、とてもすばらしく、それぞれの顔からは今日一日が有意義で楽しかった様子が伺えました。
            (留学生ホームビジット実行委員 飯塚 睦)

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 NIMIC事務局に寄せられた留学生を受け入れた家庭の様子と感想を紹介します。

留学生ホームビジットの受け入れ家庭をして
 我が家には中国と韓国の3人の学生さんが来ました。3人とも大学が違うので、留学生同士も初対面でした。11時半頃自宅に着き、まずは家族の紹介です(主人の母、主人、長女、次女、私の5人家族です)。
 お茶を飲んでからお昼の仕度です。メニューは素麺とポテトサラダです。学生さん2人にも手伝ってもらいました。そうめんを一口大に丸めていくのと、ナス天、かき揚げ天にチャレンジ。韓国でもてんぷら粉を売っているとか、天ぷらは日本からきたものだとかおしゃべりしながら作りました。もう1人の学生さんは、その間主人と話していました。食事中、中国、韓国、日本のそば(麺類)を食べるとき音をたてるかどうかなど話題になりました。
 デザートはびわでしたが、びわを食べるのが初めての学生さんもいました。韓国にはないそうで、みんなびっくりしました。夕方のパーティーの時、留学生と神社に行ったり、ゴルフの練習をしたり、七夕飾りをしたり・・・という話が出ましたが、我家は話しの種が次から次へと出て、結局家にずっといました。言語、格差社会、名前、オタク、アルバイト、ゲイ、映画、etc…。
 母も青島の思い出話で参加しました。今回お互いの趣味や専攻がわかったので、次回はお祭りに行こうとか、飲み会しようとか交流に広がりが出てきそうです。娘たちも3人の学生さんと話して、勉学への取り組み、発想のユニークさ、自分の考えがしっかりしていることなどに刺激を受けたようです。百人一首を用意して坊主めくりでもしようかと思っていたのですが出る幕がありませんでした。6時になり記念写真を撮って、パーティー会場に移動しました。
 家で話をしているだけだったので、3人は退屈しなかったろうかと心配でしたが、翌日お礼のメールが届きホッとしました。彼らが日本にいる時間は限られていますが、その中で、少しでも交流の時間がもてればうれしいと、家族一同思っています。
 パーティーも含めて楽しく有意義な一日でした。(白根祐子)
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 また、NIMIC事務局に、ホームビジットに参加した留学生たちからもお便りが寄せられていますので、ご紹介します。

NIMIC事務局 御中

拝啓
 梅雨の候、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。先日は貴重な体験をさせて頂き、厚く御礼申し上げます。
 受け入れてくださったご家族はとても親切で、健やかに育つ二人のお子様がいて、幸せなご家庭でした。ご夫妻も中国滞在経験があり、中国語がとても上手でした。お二人は中国事情にも詳しく、中国の沿岸地方はもちろん、内陸の内モンゴルを始めラサまで足を運んで異文化体験をしたようです。懐かしい写真を沢山見せてくださいました。
 お蔭様で地域の皆様との交流ができました。今回のホームビジットは人生の糧になると思います。今後もこの様な機会を与えて頂ければ是非参加したいと思っております。
敬具
                瑪希巴雅爾(マシバヤル)
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NIMIC事務局の皆様へ
 先日のホームビジットは大変お世話になりまして、実際に現地家庭訪問のチャンスを作っていただき、有難う御座いました。
お陰様で、色々交流できて、視野が広がるし、新しい友達もできまして、楽しかったです。国際交流がとても有意義なことで、今後とも積極的に参加しようと思うし、何か役立てることがあれば、いつでも御連絡ください。また宜しくお願い致します。
                 早稲田大学 (中国広州)莫 暁霊

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┏ [3] 講座報告「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」
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 5月19日(土)の公開講座からスタートした全8回の講座(2回公開・6回登録者のみ)が7月7日(土)の公開講座をもって終了しました。6月22日以降の回についてまとめてご報告します。
 6月22日(金)は練馬区の小・中学校で取り出し授業を担当している谷啓子さんに、個別(少人数)指導の現場についてお話いただきました。担当する子どもに合わせて作られたワークシートを見て、留意点について話を聞いたあとで、ペアでシートを作成するワークを行いました。
 6月30日(土)は江戸川区立葛西中学校日本語学級担当の小川郁子さんに中学生への日本語指導、学校内の関わり、地域との連携などについて、具体例を挙げながらお話しいただきました。
 7月2日(月)は東京外国語大学教授で地域日本語や子どもたちへの指導ガイドラインなどをまとめてこられた伊東祐郎さんに「どういうときに子どもに学びが起こるのか」を軸に、教材の基本概念や具体的内容について解説していただきました。
 7月6日(金)は都内7ヶ所でボランティア教室を開いている「世界の子どもと手をつなぐ学生の会CCS」武蔵境教室代表の石塚和香子さんに、運営システムと子どもたちとの関わり方についてお話しいただきました。研修の一環として行っている事例検討会の一部をワークショップの形で実践してくださいました。
 最終回は7月7日(土)、多文化共生センター代表の王慧槿さんの進路についてのお話でした。「日本語が(母語)の外国人」と「日本語を母語としない日本人」の話で意識を揺さぶられ、主催しておられる多文化フリースクールの現状をお聞きしながら、その厳しさと連携の必要性を痛感しました。

 なお、講座終了後、指導課の協力も得ながら生活文化課主催・NIMIC協力で日本語指導が必要な小中学生対象の夏休み学習会を開催します。これまで、「せっかく少し分かるようになったのに休み中にぜんぶ忘れてしまう」という声もあったので、休みに入ってすぐと休みの終わりそれぞれ1週間、午前中の活動でフォローすることを目指します。その後の活動についても、みなさんと相談し、周囲と連携をとりながら作っていきたいと考えています。


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┏ [4] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から②」
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 2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」と題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の都合により、残念ながら当日は出演していませんでしたが、コーディネート、練習等でご協力いただきました)「保谷和太鼓会」のメンバーがホンジュラスの首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリアルに伝えるおたよりを寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。

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 「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
 友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
 そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来て数ヶ月。
 日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。

-開かない引き出し-
 職場の机は、真ん中の引き出しを開けないと横の引き出しが開かない造りになっています。1つを閉めないと次が開かないという引き出しは日本にもありますが、こんな構造の机に出会ったのは初めてです。ひょっとして壊れているのかと、隣の人にも聞いてみましたがやっぱり同じ造りです。
 その理由は「簡単な鍵の代わり」。鍵をつけるのは大変、また鍵をなくすことを防ぐために、この簡略な形式が用いられたようです。ある時期こういった形の机が出回り、中米の役所では、こうしたインフラにお金をかけない、また、かけてもしょうがないという意識があり、今でもそうなっているそうです。
 でも、みんながそれを知っていたら、効果は半減する気もしたりして…?
                       (Yuko Watayama)

 次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載しますので、お楽しみに!

★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html

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┏ [5] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑤~
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

71日間、世界の青年たちとの船の旅

 第五回 「甲板掃除」

 今、日本の社会は格差社会に向かっている。若者だけではなく、高齢者にも格差が生じ、老人ホームも億の単位で入居する老人がいる一方で、一ヶ月10万円以下の年金で暮らす人々もいるという。

 しかし、「年収」に差があったとしても、我々の中に差別意識はない。単なる収入の違いなのだから。この意識はこれから多文化社会に向かおうとする日本にとってプラスの要因だと思う。経済的に貧しい国から来た外国の人々が、日本で低賃金労働に甘んじている現実が存在するが、それは国の経済の格差がもたらすもので、日本人はその人たちに差別意識は持っていないと思う。

 ところが残念なことに、それは世界に共通した意識ではない。私が「世界青年の船」に乗ったとき、船の甲板掃除をする機会があった。そこで私がショックを受けたのは、産油国の富裕な国から来た若者たちの、強い差別意識だったのだ。

 船はフィリピン沖を進んでいる。今日は甲板掃除の日だ。青年たちはショーツにはだしで、椰子の実で作ったタワシを手に甲板をこする。狭い船の中でエネルギーを持て余した若者たちにとっては、格好のスポーツだ。私もリズムに合わせてゴシゴシこする。

 「自分の国では、こんな仕事は絶対にしませんよ」と産油国から参加のXさん。「それでは、こういう仕事はだれがするの」。きっと答えは「女性」になるだろうと思って単純な気持ちで質問したら、「インドやパキスタンから来た労働者」という答えが返ってきて、驚いてしまった。

 Xさんに言わせれば、彼がそういう仕事をすると、外国人労働者の領分を奪うことになると言うのだ。ある産油国の青年は南アジアの国の青年と同室では困ると言ってきた。自分たち「雇う側」が「雇われる側」と同室にされては、支配階級と支配される階級の「区別」がなくなるというのだ。
 
 これは「区別」ではなく、明らかに「差別」であり、日本の青年たちには、そういった意識はない。
 
 日本でも近い将来、このような問題が起こるかもしれない。しかし、心の奥底に「多文化共生社会を夢見る」意識が存在すれば、「差別意識」など生じないのではないだろうか。                   (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーはNIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [6] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑪
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。11回目の今回は、「多文化共生」そのものについての報告書をご紹介します。

『多文化共生に関する自治体の取り組みの現状』
2007年3月 (特活)多文化共生センター

 2006年3月、総務省は自治体における多文化共生施策を促進するため、「多文化共生プラン」を発表し、自治体における多文化共生策を体系的に推進するよう促しました。
 この施策に呼応して、各自治体の多文化共生施策は本格的な動きを始めたわけですが、本報告書はまさにその動きをまとめたものです。全国61の都道府県及び政令都市を対象に、次の4項目からなる調査がなされました。
  (1)施策の方向性について
  (2)教育について
  (3)生活支援について
  (4)情報提供について
 対象が限られてはいますが、全国各地で行われている現状を総括的に把握することができる報告書となっています。
 今後はさらに、NIMICのような民間活動団体の動きや、官と民の連携の実態なども知りたいところです。

 *本報告書は多文化共生センター大阪で限定400部を販売しています。 
http://www.tabunka.jp/osaka/jichitai_chosa.html
                     (NIMIC理事 種村政男)

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┏ [7] 2007年度・今後の事業予定  ※詳細は随時お知らせします。
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7月27日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座②(5回シリーズ)
9月28日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座③(5回シリーズ)
10月 (主に大人対象)音楽体験を通して共感・行動プロジェクト「二胡」
10月ごろ    世界の人々のくらし(シリーズで複数回)
11月11日   市民まつりに参加
12月1日(土) 東京都外国人のための専門家リレー相談会 ★
12月中旬   NIMIC忘年会(留学生・在住外国人・市民)
2008年
1月       外国人対象「着物で初詣で」
春休み     子ども対象英語で遊ぶプロジェクト

子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付)2期は9月から
※公民館事業に協力

  ★印は、西東京市との共催事業です。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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