西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.104(2015年2月号)
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┏ [10] キーワードを読む
     「多文化共生」について理解を深めるために(98)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第98回目の今回は、海の上に暮らす人々の写真集です。

写真集「地球ものがたり 海の上に暮らす」
         関野吉晴 ほるぷ出版 2013年3月
 
 インドネシア、フィリピン近海で、海の上に暮し、自由に移動する漂海民バジョと呼ばれる人々がいます。国籍を持たない彼らの暮らしを紹介する写真集です。
 サンゴ礁で、魚、シャコガイ、エビ、カニ、ウニ、海そうなどを採り、魚や干物を売って米やキャッサバ、調味料などの必要品を買います。
 周りの国々が定住策をとり、最近は沿岸部の海上に杭を打って建てた家に住む人々の海上集落もできています。
 しかし、昔通りに、家船(えぶね)と呼ぶ屋根の着いた木の船に一家族全員が住んで、自由に海の上を行き来する人々もいます。
 食べるだけの魚を採り、必要な物だけを所有する生活ですが、豊かな海の上で暮らす彼らの表情はとてもおだやかで満ち足りて見えます。
 子どもたちは学校には行きませんが、親から生活のすべを学びます。明るい笑顔で、働く姿は生き生きしています。
 バジョは「世界でもまれに見る平和的な民族」だそうで、武器は持ちません。彼らの暮らしにはストレスと言う言葉はあるのでしょうか?
 「生きる」ということを改めて考えさせてくれる写真集です。
       (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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