西東京市多文化共生センター

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    NIMIC通信 No.115(2016年1月号)
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┏ [8] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(109)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。
 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第109回目の今回は、世界で最も親日的と言われるトルコと日本の関係を描く本で、小学校高学年から大人の方までおすすめです。

「エルトゥールル号の遭難  ―トルコと日本を結ぶ心の物語―」
   寮 美千子文 磯 良一絵 小学館クリエイティブ 2013年6月
    
 日本の皇族がトルコを表敬訪問した答礼として、1889年7月、美しい大型帆船エルトゥールル号はオスマン帝国の皇帝から日本の天皇への親書と勲章を携えて、長い旅に出ました。  無事役目を果たした帰路、1890年9月16日、紀伊半島沖で台風に会い遭難。
 大島村の漁民たちの捜索、看護により69名が助かりましたが、約500名が亡くなりました。
 村民の手厚い看護や死者の弔いに感激した生存者により、日本の話がトルコに伝えられたのです。
 実際にはどんな航海であったのか、当時の世界情勢や遭難の原因なども詳しく解説されています。
 その後の日本とトルコの関係を示すエピソード―イラン・イラク戦争でテヘランに取り残された215名の日本人を救出するため、トルコが飛行機を飛ばせてくれたことも、描かれています。
 今、ちょうど公開されている映画「海難1890」(日本・トルコ合作)はこの物語が映画化されたものです。
 著者は外務省勤務経験もある作家。童話、詩、小説、ノンフィクションとなんでも、ジャンルも自然科学から先住民文化や神話まで幅広い方です。
   (NIMIC会員 根本 百合)
 
 
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