西東京市多文化共生センター

┌----------------------┐
   NIMIC通信 No.148(2019年1月号)
└----------------------┘


┏┏┏ ━━━━━━━━━━━━━━━
┏ [10] キーワードを読む
     「多文化共生」について理解を深めるために(142)
━━━━━━━━━━━━━━━━━
NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉 をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第142回目の今回は、2018年新書大賞を受賞した本で、「前代未聞、抱腹 絶倒の科学冒険就職ノンフィクション!」(帯書き)です。

バッタを倒しにアフリカへ   前野ウルド浩太郎 著 光文社新書 2017年

 著者は昆虫学者(通称バッタ博士)です。ファーブルに憧れて昆虫学を専攻、 バッタを研究して博士号を取得しましたが、バッタの知識では日本で就職で きず、食べていけません。広く世界を見渡せば、アフリカではバッタが大発生 して農作物を食い荒らし、深刻な飢饉を引き起こしています。そこで、西アフ リカのモーリタニアの国立サバクトビバッタ研究所の客員研究員となり、サハラ 砂漠で苦闘を繰り広げたもろもろがこの本となりました。バッタとアフリカの自然、 共に働く研究所の職員たち、とても懐の深い研究所長など、アフリカ満載の本 です。
 この国立サバクトビバッタ研究所は、モーリタニアにとって重要な施設です。 バッタ大発生の報が入ると、それーっと駆けつけ退治する職員の方々の活躍 は、すばらしいものだと思いました。アフリカの未来のためにがんばれ!  さらに、現在の日本の若い研究者たちを取り巻く環境の厳しさ(ポスドクの 悲哀)とそこに手を差し伸べる京都大学の「白眉プロジェクト」のことなども知る ことができ、うれしかったです。理系研究者の方々はとかく寡黙な方が多いで すが、ご自分の研究の面白さを周りの人たちに広く伝える努力をすると、道が 開ける場合もあると思うのです。科学のロマンは、一般の人にも共感を呼び ますよ。皆さんもそう思いませんか? 
 (NIMIC会員 根本百合)





 
 
 前号の本の紹介文に移る | 書籍の一覧に戻る |  次号の本の紹介文に移る

HOME  |  ABOUTUS  |  ACTIVITIES  |  VOLUNTEER  |  CONTACT  |LINKS

NPO法人 西東京市多文化共生センター     Copyright (C) 2011 NIMIC All Rights Reserved.