西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.158(2019年12月号 )
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┏ [10] キーワードを読む
  「多文化共生」について理解を深めるために(152)
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NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉 をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第121回目の今回は、広い意味での多文化共生、自然との共生について考え る本です。

クジラのおなかからプラスチック 保坂直紀著 旬報社 2018年12月

   衝撃的な写真から始まります。浜に打ち上げられたクジラの胃から出てきた のはスーパーのレジ袋80枚以上。餌と思って飲み込んだ袋は消化されず、栄 養も取れずにクジラは死んでしまったのです。クジラやウミガメが特に被害が多 いという。安くて手軽で便利なプラスチックは世界中で大量に生産・使用されて いますが、自然界では分解されないため、人間が処理しない限り、自然界を汚 染し続けていきます。責任をもって、リサイクルするか焼却しなければいけない のです。浜辺の清掃活動をすると、日本の他にも海に面した様々な国のプラス チックが流れ着いており、ごみの処理がいかに大切かよくわかります。ごみの 不始末以外にも、日本では津波や台風の水害で、家やビルもろともすべての 物が海に流れ出すということも起きています。 さらに深刻な海洋汚染が心配されているのが、マイクロプラスチックの問題 です。砕けて微細になったプラスチックはいつまでも海の中を漂い続け、プラン クトンと間違われて小生物に飲み込まれ、食物連鎖の果てに人間の体の中に 戻ってくるのです。プラスチックの使用を減らし、絶対に自然界に出て行かない ようにしなければなりません。 いま世界的に関心の高まっている海洋汚染の問題を、非常にわかりやすく 伝えてくれる本です。対象は小学校高学年から大人まで。著者は、地球物理 学や海洋生物学を学び、新聞社の科学報道に携わり、現在は執筆活動を続け ている方です。

                       (NIMIC会員 根本百合)
 
 
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