西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.159(2020年1月号 )
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┏ [11] キーワードを読む
  「多文化共生」について理解を深めるために(153)
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NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉 をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第122回目の今回は、EU離脱に揺れるイギリスの現在がとてもよくわかる本 です。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー      ブレイディみかこ著 新潮社 2019年6月 

著者紹介文から・・・保育士・ライター・コラムニスト。1965年生まれ。音楽好き が高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドン の日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」 で働きながらライター活動を開始。『子どもたちの階級闘争―ブロークン・ブリ テンの無料託児所から』(みすず書房)をはじめ、著書多数。 著者はアイルランド人男性と結婚して、男の子が一人います。住まいは 市の高級住宅街に隣接する元公営住宅地。元がつく理由は、サッチャー 政権時代に払い下げになった公営住宅地だから。購入して住み続ける人、 購入しない人、あとから引っ越してくるミドルクラスの人と様々な人々がまだ らに入り混じって住んでいますが、最底辺の人々が集まりまだらにならない 高層公営団地もあります。著者はこの地域の「最底辺保育所」で実習しなが ら保育士資格を取り、働いていました。 著者の息子は、最底辺保育所→カソリックの公立小学校→元底辺中学校 へと進学しました。カソリック校は市の公立学校ランキングで1位、元底辺 中学校は校長と教職員の努力で最近ランキングの中位に上昇した学校です。 昨今の英国の田舎町の学校事情によると、なんと人種の多様性があるのは 優秀でリッチな学校、底辺校は見渡す限り白人英国人だらけという奇妙な構 図になっているとか…。詳しくは、本をお読みください。現在のイギリス社会と 子どもを取り巻く状況、中学校教育の様子がとてもよくわかります。 新潮社の月刊誌「波」(2018年1月―2019年4月号)に掲載されたエッセイ をまとめて2019年6月に出版されましたが、11月までに12刷を数え、本屋 大賞2019のノンフィクション本大賞を受賞しました。書店では平積み状態か と思いますが、ぜひお買いください。買って損はありません。雑誌のエッセイ は今も続いています。 著者の息子さんはバランス感覚がよくてしっかりした少年で、将来が楽しみ です。

                       (NIMIC会員 根本百合)
 
 
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