西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.165(2020年7月号 )
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┏ [9] キーワードを読む
  「多文化共生」について理解を深めるために(158)
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NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉を キーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第158回目の今回は、にしゃんたさんの本です。テレビなどにもよく出ているの で、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

日本で知った「幸せ」の値段 ―無一文の留学生が、大学准教授になるまで―                 にしゃんた著 講談社 2012年

   著者は1969年スリランカ生まれ。現在は羽衣国際大学現代社会学部教授で、 講演会やテレビ出演をこなし、落語家でもあり、マルチに活動している方です。 少年時代、スリランカのテレビには日本のドラマ「おしん」が流れ、日本車が町を 走り、進出してきた日本企業は旧宗主国イギリスとは違う雰囲気を感じさせ、 日本のファンが多かったとか。高校生の時、ボーイスカウト世界ジャンボリーで 来日した経験のあるにしゃんた青年は、高校卒業後、7万円の現金を持ち飛 行機の片道切符で再び来日します。様々なアルバイトで学費と生活費を稼ぎ ながら、日本語学校、大学、大学院と進学し、空手や日本拳法も修行し、経済 学の博士号を取得、大学教員となりました。アルバイトと奨学金、タレント業、 大学教員、落語家、起業(携帯で情報を多言語化して発信する会社)と、常に 複数の草鞋を履く生活を続けてきた著者の日本での嵐のような日々を書いた 本です。大学在学中はたくさんの外国人弁論大会に出場して優勝し、「スピコン 荒らし」のあだ名をつけられたと言います。それを成程と思わせる話の持って 行き方、リズム、間の取り方で、この本でも、個々のエピソードをとても面白く 読ませてくれます。きっと、落語、講演や大学の授業もさぞ面白いことでしょう。 この先生の「国際経済学」や「比較文化論」、ぜひ聞いてみたいです。  (NIMIC会員 根本百合)

 
 
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