西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.166(2020年8月号 )
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┏ [8] キーワードを読む
  「多文化共生」について理解を深めるために(159)
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NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉を キーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。 第159回目の今回は、難民として日本で暮らしている方々を取り上げた本です。 対象は小学校高学年位から大人まで、漢字には全部ふりがながついています。

故郷の味は海を越えて ―「難民」として日本に生きる―       著・写真 安田菜津紀  ポプラ社 2019年11月

     シリア(クルド人)、ミャンマー、ロヒンギャ、ネパール、バングラデシュ、カメ ルーン、カンボジアから来日した7人の方々を紹介した本です。カンボジア から日本に留学中だったセタリンさんは、その間に、母国でポル・ポトが政権 を握り、国民の四分の一が亡くなったと言われる過酷な状況に陥りました。 他の6人は母国で暮らしている時に、政府、反政府勢力、反乱軍と呼び名 は様々ですが武力集団に襲われ、命からがら日本に逃れてきました。それ からがまた大変でした。短くて数年、長い人は十数年かけて、やっと滞在許可 を得ることが出来た人、難民認定まで得ることが出来た人、日本国籍を取得 した人がいます。今は、それなりに、みなさん穏やかな落ち着いた生活を送っ ています。写真には、日本で手に入る食材で、故郷の味をつくり、温かい笑顔 を見せてくれる彼らの柔和な姿があります。でも、そこにいたるまでの、苦労など という簡単な言葉で言い表せない人生に、ぜひ思いをはせてください。  日本も難民条約に加盟しており、毎年難民を受け入れていますが、その難民 認定率は0.25%(2018年)という低さで、他の国々に比べて低さが突出している のです。「難民」についてのQ&Aやコラムが文中に沢山あり、子どもにもわか るよう説明されています。 昨年11月に出版された本ですが、カフェやレストラン、食材輸入などを営む 方々は、このコロナ騒ぎの中でどう過ごしているのだろうかと、気にかかります。  (NIMIC会員 根本百合)


 
 
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