西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.83(2013年4月)
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┏ [7] キーワードを読む
      「多文化共生」について理解を深めるために(78)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第78回目の今回は、[第8回]中国人の日本語作文コンクール受賞作品集です。

 『中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?』
 段躍中編 日本僑報社 2013年1月 \2,000

 日本僑報社・日中交流研究所主催の「中国人の日本語作文コンクール」は、日中国交正常化40周年を迎えた2012年に第8回目を迎えました。日本の外務省はじめ様々な団体が後援・協力しています。中国で日本語を勉強する中国人学生のためのコンクールであり、157校(大学、専門学校、高校、中学校)から2648編の作品が寄せられたそうです。
 第一次、第二次、第三次、そして最終審査を経て、最優秀賞には丹羽大使より日本大使賞が贈られました。他に1等5名、2等15名、3等40名、佳作52名が選ばれましたが、最優秀から3等までの61作品を収めたのがこの本です。
 今回のテーマは「中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?」と「日中両国民が親近感を高めるための、私ならではの提言」、そのどちらかを選んで作文を書くものです。日本での生活経験はなく、学業終了後に日本へ留学したいと思いつつ一生懸命勉強しているところで、数年後、私たちが日本でお会いするかもしれない方々の作文です。
 多くの人が、テレビの中日戦争の日本兵のドラマと学校の授業で教わったこと以外は日本についての知識がなく、日本人日本語教師に接して日本の文化に触れ、大きく日本のイメージが変わったことを書いています。
 中国で頑張っておられる日本語教師の方々の努力を尊敬すると同時に、実際の日本について知る機会が少ないことに驚きます。ほぼ全員の方が書いているように、日中両国民の交流をふやし、様々な文化や実際の生活を紹介し合い、相互理解がより深まるよう努力しなければならないと私も思います。
 なかに「祖母から聞いた日本人の話」を書いている方がありました。
 戦後67年になりましたが、中国人の高齢の方々は、遠い昔中国で大勢の日本の民間人や兵隊に直接接していたのですね。この日本のことを知っている世代がいなくなり、中国で生産された日本兵ドラマしか知らない人ばかりになるのは大変なことです。
  (NIMIC会員 根本 百合)


 
 
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