西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.85(2013年6月)
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┏ [7] キーワードを読む
       「多文化共生」について理解を深めるために(80)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第80回目の今回の本は、日本人女性によるエッセイです。

 「『モザイク一家』の国境なき人生
   ~パパはイラク系ユダヤ人、ママはモルモン教アメリカ人、
     妻は日本人、そして子どもは……~
 長坂道子著 光文社新書 2013年2月 

 著者は日本でファッション雑誌の編集を経てフランスへ留学、フリージャーナリストとして活動している方です。
 フランスで出会ったアメリカ国籍の男性と結婚することになり、彼の家族や親せきに会いその生い立ちを詳しく知ると、日本人には想像もつかない複雑さでした。
 この長い長い副題は著者の夫を軸とした家族構成です。
 その後二人の子どもが生まれ、フランス→スイス→アメリカ→スイスと引っ越しを重ねながら、子育ては現在も継続中です。
 夫の家族、親戚、インターナショナルスクールの親たち、様々な人々との出会いの中でわかってきたこと、感じたことを綴っていきます。
 国籍・人種・言語・宗教・文化・生活習慣などについて、日々の暮らしの積み重ねについて・・・昔学校で習って無味乾燥な他人事だった世界史が生き生きと立ち上がってくるのです。
 ひとつの言語にとらわれないバイリンガル、マルチリンガルな人生、国に縛られないコスモポリタンな人々の暮らし。
 これらの良い面だけでなく、現実が語られていきます。そして、親世代を見送る中で思うことは、「自分はどこでどんなふうに死ぬのだろうか」。
 一家族の物語ではありますが、世界的規模のドラマティックな物語です。
  (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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