西東京市多文化共生センター
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   NIMIC通信 No.87(2013年8月9月合併号)
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┏ [9] キーワードを読む
      「多文化共生」について理解を深めるために(82)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。 この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 第82回目の今回は、オーストリアの方がドイツ語で書いた日本文化についての研究書です。そのアプローチというか切り口が日本人にとってはなんとも異文化感満載なので、ご紹介します。

 「世界が認めたニッポンの居眠り
 ―通勤電車のウトウトにも意味があった!」
 ブリギッテ・シテーガ著 畔上司訳
 阪急コミュニケーションズ 2013年6月 

 著者はウィーン大学日本学研究所で睡眠に関する研究で博士号を取得、現在はケンブリッジ大学東アジア研究所の准教授として日本の日常生活を研究しています。
 内容は至って真面目です。日本人の睡眠習慣、夜間睡眠時間の国際比較など世界各地の睡眠について、そして最後に日本人の様々な眠りについて(例えば、居眠り、うたたね、うそ寝、電車内、会議・国会・授業中など)を取り上げて解説し、なんと最終章は「居眠りの効果―賢くなるための短眠法」です。
 「居眠りから学ぶ」として14項目上がっている中には、居眠りすれば長生きできる、居眠りすれば自信がつくなど、不思議な項目も並び、日本人の睡眠から大いに学ぶものがあるというまとめになっています。
 この本が出版されてヨーロッパのドイツ語圏で話題になり、TUNAMIほどではないがINEMURIという言葉が多少普及したそうです。
 著者による日本人へのインタビューや日本人の書いた本への解説、論理の展開は、日本人の私にとってほとんど異次元的に感じられるものでした。ヨーロッパ北部と日本との気候風土や文化も含めた距離の遠さを、改めて感じてしまった次第です。
 世界の人々が日本文化に目を向けるということは、なんとも面白いことです。
  (NIMIC会員 根本 百合)


 
 
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