西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.94(2014年4月号)
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┏ [14] キーワードを読む
「多文化共生」について理解を深めるために(88)
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 NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
第88回目の今回は、「世界の珍国、奇妙な地域へ!」と副題のある本をご紹介します。

「国マニア ―世界の珍国、奇妙な地域へ!―」 吉田一郎著 
交通新聞社 2005年12月 ちくま文庫 2010年7月 

 著者は大学卒業後香港へ留学、週刊『香港ポスト』記者、月刊『香港通信』編集長、日刊『香港ビジネスポスト』編集長を経て帰国、現在はさいたま市議という異色の経歴の持ち主です。
 中学生の時に香港とマカオへ旅行したのがきっかけで、小さな国や植民地に興味を持ったそうです。「小さくても立派にやってる極小国家ベストテン」「国の中で独立するもう一つの国」「ワケあって勝手に独立宣言をした国々」「常識だけでは判断できない珍妙な国・地域」「かつてはあったこんな奇妙な国・地域」にわけて、50の国と地域を紹介しています。
 一国についての話が数分で読めますので、乗り物の待ち時間にでもいかがでしょうか。
 学校の世界地理の時間に習ったのが大国の建前の世界、その土地で実際に人々が暮らしていくための必要から生まれたのがこの奇妙な国々ということでしょうか。
 今、ロシアとウクライナの間で問題になっているクリミアもあります。
 バチカン市国やモナコなど豊かな国もありますが、大半は中国とインドの間、旧ソビエトの周辺、カリブ海、太平洋の島々、中東、アフリカ、東南アジアなど。
 生活の厳しい土地であったり、植民地支配の中であおられた民族意識や押し付けられた言語や生活形態の影響など原因は様々ですが、苦労の多い地域ばかりです。
 インドとバングラデシュの間は封建時代の境界線がそのまま国境になったので、クチビハール地域にはインド領内にバングラデシュの飛び地が95カ所、バングラデシュ領内にインドの飛び地が129カ所入り乱れて、大変な不便を強いられているとか。
 日本には地上の国境がないせいか、私も国境というものがよくわかっていません。
 とても勉強になりました。
 (NIMIC会員 根本 百合)


 
 
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