西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.21(2008年1月)
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┏ [9] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑰
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 17回目の今回は、「移民」をテーマに、母国を離れて異国で生活する体験を描いた自伝的作品を2冊ご紹介します。どちらも西東京市図書館にありますが、全館に入っているわけではないので、インターネットか図書館のカウンターで予約をして、最寄りの図書館へ取り寄せてもらってください。

『この道のむこうに』『あの空の下で』
        フランシスコ・ヒメネス著 千葉茂樹訳 小峰書店

 2冊に分かれていますが、内容は同じ話の続きであり、いわば少年編と青年編です。
 主人公パンチート少年は、1943年メキシコの小さな貧しい村で生まれました。電気も水道も学校もない暮らしから、豊かな生活を夢見て、両親と兄と一家4人は国境を越えました。
 しかし、カリフォルニアで出逢ったのは、“サーキット”と呼ばれる季節労働が連続する日々。イチゴ→ブドウ→綿花→レタスと仕事を追って労働者キャンプを移動する暮らしで、限られた期間しか学校へ行かれない厳しい状況ですが、子どもたちは英語を覚え、成長していきます。数学などではいい成績も取れるようになるのですが、最後まで苦手だったのが英語。その時、先生が手渡してくれたのがスタインベックの『怒りの葡萄』で、パンチートはこのとき生まれて初めて夢中になって本を読みます。
 敬虔なカソリックであり、アメリカに来てからも次々と弟妹が生まれるものの、英語が話せない父は違う仕事に就くことができず、貧しさが続くが・・・。
 いつも前を見つめて努力する子ども達と家族の固い結束が感動的!
            (NIMIC 根本 百合)

 
 
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