西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.45(2010年1月)
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┏ [8] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(40)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 40回目の今回は、国境を越えて移動する子どもたちが登場する児童文学(フィクション)をご紹介します。ドイツの本にトルコの子どもたちが登場したり、ニューヨークやロンドンなど「人種のるつぼ」地区の学校を舞台に「僕らは世界に一つだけの花」精神が描かれたり、児童書の世界も実世界のグローバル化に伴って変化しています。その中でも、読後感が爽やかだと好評な本が次の2冊です。

『ひげねずみくんへ』  2005年(原作は2000年初版・米国) ¥1,100
『いたずらニャーオ』  2006年(原作は2003年初版・米国) ¥1,200
  アン・ホワイトヘッド・ナグダ作 井川ゆり子絵 高畠リサ訳 福音館書店 

 アメリカの小学4年生のジェニーのクラスでは、英語の時間に手紙の書き方を学習し、ネズミになったつもりで2年生に手紙を書きます。
 2年生から返事が来て文通が続いていくのですが、ジェニーは受け取った返事が意味不明でがっかり。なんと相手のサミーラはサウジアラビアから来たばかりで、英語がよくわからなかったのです。先生やお母さんのアドバイスを受けながら努力を重ねるジェニーは・・・・・・ついに、サミーラがにっこりと笑って くれて、気持ちが向き合い始めるのです。
 そして、二人の交流を見ていた2年生の間にサミーラへの理解が生まれ、彼女の存在が受け入れられていく様子は感動的です。
 『いたずらニャーオ』は、ジェニーのクラスに転校してきたラーナ(父がインド人で母がアメリカ人)が、猫をきっかけにクラスの友達に馴染んでいく話。
 
 この2冊が本として出版されているということは、アメリカでも実際には、こう理想的にはいっていないということでしょう。世界中で異文化の異国の学校へ転入する子どもたちが、みんなこんな風に、教室で誰かとにっこり笑いあえるといいな・・・これが私の夢です。いかがですか?
     (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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