西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.51(2010年7月)
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┏ [11] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(46)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 今年は「国民読書年」、第46回目は図書館についての本を2冊ご紹介します。形式は絵本と写真絵本で児童書ですが、振り仮名つきで漢字を使用していることからもわかるとおり、大人の方に手に取ってほしい本です。

『図書館ラクダがやってくる 〜子どもたちに本をとどける世界の活動〜』
  マーグリート・ルアーズ著 斉藤規訳 
  さ・え・ら書房 2010年10月出版 ¥1400

 原題は“My Librarian Is a Camel.” 著者は子どもたちに読書の喜びを伝えることを願って、カナダやアメリカで活動している方です。前書きによると「子どもたちに本を届けるために人びとがあらゆる手をつくしていることを知り……遠い国ぐにの図書館員に手紙をだしました。すると、彼らから、いろいろな情報や体験談、現地の移動図書館と子どもたちの写真などが送られてきて・・・」その中からこの本が生まれました。
 オーストラリアではバス、アゼルバイジャンではトラック、フィンランドやインドネシアでは船が、ケニヤやモンゴルではラクダ、タイでは象、ペルーではロバの引く荷車が……様々な移動図書館が子どもたちの笑顔と一緒に登場します。先進国では書籍の電子化が話題になっていますが、これらの移動図書館の本を待ちわびている子どもたちの姿も現在の世界の現実です。
 旧保谷・田無市に最初の市立図書館ができたのが34〜5年前、誰でも読みたい本を手近で手に入れることができるようになったのは以外に最近のことです。日本でも、ところによっては移動図書館バスが活躍している地域もあります。

『バスラの図書館員 〜イラクで本当にあった話〜』
  絵と文/ジャネット・ウィンター 訳/長田弘 
                晶文社 2006年出版 ¥1600

 バスラはイラク最大の港町であり、イラクの文化的中心都市です。
 2003年4月イラクへの侵攻はバスラに達しました。図書館司書のアリアさんは近所の人とともに本を運び出して、70%にあたる3万冊の本を救い出しましたが、その9日後に図書館は燃え落ちました。
 この話を伝えたニューヨーク・タイムズの記事から生まれた絵本です。
                         (NIMIC会員  根本百合)



 
 
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