西東京市多文化共生センター

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   NIMIC通信 No.9(2007年1月)
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もくじ
[1] NIMIC代表理事・新年のご挨拶
[2] イベント情報「日本の伝統文化を知る~雅楽」
[3] イベント報告「NIMIC忘年会・留学生との夕べ」
[4] 世界の国々・人々 ~モンゴル④~
[5] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑤
[6] イベント情報「春休み子ども対象企画・(仮)たのしい英語!」
[7] 今後の事業予定
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┏ [1] NIMIC代表理事・新年のご挨拶
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 迎春  2007.1.1.

皆様、あけましておめでとうございます。
2007年はどんな年になるのでしょうか。
世界の情勢は緊迫し、あちこちでテロがあり
日本国内でも家庭の惨劇がニュースを賑わし・・・。
でも、「こんな年にしたい」という一人一人の「小さな願い」が
大きく膨らんで、少しずつでも西東京を、日本を
世界を明るい色に染めていくのではないか、
そんな望みを持って、NIMICでも多方面の活動をしていきたい
と思っております。
皆さんと一緒に、「多文化共生社会―明るい色に染める活動」を
共にできることを願って。

           NIMIC代表理事 佐々木瑞枝

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┏ [2] イベント情報 国際交流事業「日本の伝統文化を知る~雅楽」
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 日本の伝統音楽のひとつである「雅楽」。日常生活の中では、なかなか触れる機会がありません。雅楽で使用される楽器のひとつである「笙(しょう)」の演奏を中心に、楽器や雅楽の歴史についてのお話もあります。千年以上前の雅楽のルーツに思いを馳せてみませんか。
 外国の方にとっては異文化、日本の方にとっては自分の文化のルーツに触れるチャンスです。ぜひご参加ください!
 
とき: 2月24日(土曜日) 午後2時~4時
ところ:南町スポーツ・文化交流センター「きらっと」2階
定員:80人(当日先着順、無料)
講師:鈴木治夫さん(日本雅楽会副理事長)
内容:講演「雅楽の歴史と楽器・雅楽って?」、雅楽コンサート
 ※当日は外国の方と日本の方、参加者同士の交流会も企画中です。

共催:西東京市
問合せ:西東京市役所生活文化課(TEL 042-464-1311内線1412)

International Exchange Project
“Invitation to Japanese Traditional Culture ?Gagaku (Court Music & Dance)?“

“Gagaku” is one of Japanese traditional music. Most of us may not have an opportunity to listen to the real Gagaku in our daily life. This time, focusing especially on one of the instruments called “Shou” (wind instrument), you can learn about the Gagaku instruments as well as its history. Why not join in this special occasion to explore the roots of Gagaku music which has over 1,000-year history?
For people from overseas, it should be a new and different cultural music. For the Japanese, it will be a great chance to learn about the roots of your own culture. We look forward to your participation in this cultural event!

Date & Time: February 24, 2007 (Sat.) 2:00 p.m. to 4:00 p.m.
Place: Minami-cho Sports and Cultural Exchange Center “Kiratto” 2F
Seating Capacity: 80 persons. (accept in order of arrival)  Free of charge
Lecturer: Mr. Haruo Suzuki (Vice President of the Japan Gagaku Society)
Contents: Lecture “What is Gagaku? ?Its History and Instruments-” and Gagaku Concert
*We are planning to have the international exchange meeting between the foreigners and the Japanese.
Inquiries: Nishitokyo City Citizens and Cultural Section TEL: 042-464-1311 (ext. 1412)

 みなさまのご参加をお待ちしています!

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┏ [3] イベント報告「NIMIC忘年会・留学生との夕べ」
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「NIMIC忘年会・留学生との夕べ」の模様をお知らせします。
 
~初めての留学生交流忘年会~
 06年4月に発足したNIMICにとっては初めての交流忘年会が12月13日(水)、武蔵野大学を会場に開催されました。
 当日は地域の大学などに通っている留学生、NIMIC会員の皆様、そして日頃から交流活動を支えていただいている方々、約40名が参加され、和やかに交流の場が持たれました。
 佐々木代表理事の挨拶に始まり、留学生の有志による民族舞踊や二胡の伴奏による全員の合唱、留学生の和装着付けのご披露など、時間の過ぎるのも忘れるほど楽しいひとときでした。
 今回の忘年会を機会に新しくNIMCへ入会された方も何人もおられます。会員の皆さんがこのような場を通してまたさまざまな交流の輪を広め、深めていただければ幸いです。

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┏ [4] 世界の国々・人々 ~モンゴル④~
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
 前号に引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

第四回
 モンゴル帝国建国800年 ― ジンギスハーンの軍隊が草原で戦いを繰り広げる?

 ここはウランバートル高原の草原、地球は丸いことを実感させるように四方には草原が広がり、そこに馬のいななきが風に乗って聞こえてくる。
 草原には、強い太陽を遮断するようにテントが張られ、階段状の観客席、私はその観客席の最前列に座り、カメラを構えながら、これからはじまるイベントを歴史劇を見る思いで待ち望んでいた。
「Excuse me for interrupting すみません、ここ空いていますか」、わずか30センチほど、隣の人との間に割り込もうとする人は誰、白髪の明らかにクイーンズイングリッシュと分かるアクセント、多分イギリスの人だろう。
「Yes, please ええ、どうぞ」、私はちょっと左によりながら、にっこり笑ってみせた。
「実はグループで来たのに、みんなどこかにいっちゃって」、とその婦人は嬉しそうに私の隣に座り、「英語が話せるのですね、よかった、これで独り言を言わなくてすむわ」などとのたまう。
 私は頭を頷かせながらも目の前の光景に目を奪われていた。
草原の地平線のかなたまで埋め尽くす甲冑に身を固めた騎馬軍団が、まるで草原の上にかかる入道雲から生まれたかのように、続々と姿を現していたのだ。
 まるで幻のようだった。
 2時間におよぶ壮大なスペクタクル、13世紀、モンゴル帝国がかつてない大帝国だった頃の騎馬軍団を500騎で再現!その騎馬軍は、モンゴル国防省の協力により、すべて軍人で構成されているということだ。
 目の前で戦いの場面が繰り広げられる。なんと言う迫力、私がカメラを望遠にし、夢中でシャッターを切っていると隣の婦人が「甲冑の色がバラバラだわ、イギリスの軍隊ならまず色を揃えるのに」「ね、みてみて、あの兵隊、死んだつもりよ、ほら馬の上で落ちそうになったまま、向こうに行くわ」
 イギリス英語の独り言に適当に相槌をうちながら、私はジンギスハーンの世界に思いを馳せていた。
 9世紀、ウイグルが崩壊し、モンゴル高原の南は契丹の遼や金が支配し、北では遊牧民族の小さな部隊が連合を形成し、覇権を争っていた、そしてジンギスハーン、蒼き狼の登場だ。
 モンゴル高原を手中に収めたのは1202年、「蒼き狼」がモンゴル高原を統一し、全モンゴルのハーンとなったのはちょうど1206年、今から800年前のことなのだ。
 それにしてもモンゴルはそれからどのくらい変わったのだろうか。少なくても、草原も風も空もその当時のままだ。日本でこのように800年も変わらない広大な風景を探すとしたらどこだろう。
 実際のモンゴル兵が、こうしてイベントの準備をし、記念祭で演じてみせるほど、モンゴルは「平和」ということではないだろうか。
 日本の自衛隊が「鎌倉時代」の甲冑に身を固めて、「記念祭」でショーを演じることなど思いも及ばない。今年から防衛省が誕生し、自衛隊は海外での活動を視野に収めていかなければならない。それが「実戦」にならないことを祈るばかりだ。
                 (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

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┏ [5] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑤
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。5回目の今回は、多分野の専門家が外国人に対する日本語教育の周辺に関する一冊です。

『外国人の定住と日本語教育』
 田尻英三・田中宏・吉野正・山西優二・山田泉著 2004 ひつじ書房 (2000円+税)

 全5章の構成のこの本では、どの章も、多文化共生がキーワードになっていますが、第2章と第3章では、外国人の定住が進んでいるにもかかわらず、在日外国人の教育機会保障やその他の権利の保護の実現の難しさ、厳しさが具体例で示されています。また、第4章では、平和・人権・環境など地球的課題を扱う教育の最前線では多くの教育的課題が現れてはいるものの、同時に大きな教育的可能性に満ちていると述べられています。
 在住外国人にとって「コミュニケーション能力」としての日本語能力の育成は緊急課題ですが、それを含めた人間関係作りへの視点、およびその基礎としての人間理解の視点が大切という文章を読んで、日本人にとっても必要な視点だと感じました。

【各章のタイトルと執筆者の代表的な専門分野】
 第1章 外国人の定住と日本語教育を考えるためのブックガイド(田尻英三/日本語教育)
 第2章 在日外国人の概況とその教育―日本語教育の周辺―(田中宏/ポスト植民地問題)
 第3章 外国人の定住と権利保護(吉野正/弁護士・外国人の人権)
 第4章 多文化共生に向けての教育を考える(山西優二/開発教育)
 第5章 多文化・多言語主義と子どもの発達(山田泉/多文化教育)

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┏ [6] イベント情報「春休み子ども対象企画・(仮)たのしい英語!」
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 NIMICでは、子どもたちを対象とした英語関連の事業を実施します。
 この企画は、英語=アメリカ・イギリス、という考え方ではなく、世界中で母語として、または共通語として話されている英語を楽しく体験してもらうことが目的です。講師には、インド、フィリピン、ポーランド出身の子ども英語教育の専門家をお招きします。英語を学ぶだけでなく、英語に触れることをとおして、別の文化に触れ、その違いを感じていただけたらと思います。

日時:3月17日(土) (1)午前10時~10時50分、(2)11時10分~正午(50分ずつの入れ替えです)
場所:きらっと2階
対象:幼稚園年中~小学校2年生
※申し込み等詳しくは次号でお知らせします。

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┏ [7] 2006年度・今後の事業予定(2007年1月以降)※詳細は随時お知らせします。
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2月24日(土) 日本の伝統文化(雅楽) ★
3月17日(土) 春休み子ども対象企画「(仮)たのしい英語!」 ★
3月31日(土)午前 講演会ワークショップ「生きた日本語を教えるくふう」
3月31日(土)午後 NIMIC総会
  ★印は、西東京市との共催事業です。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
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