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NIMIC通信 No.16(2007年8月)
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もくじ
[1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座③」
[2] イベントのお知らせ「伝承遊び教室」
[3] 事業報告「日本語を母語としない子どもの夏休み学習教室」
[4] 事業報告「外国人のお母さんのための生活に役立つ日本語講座」
[5] 事業報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
[6] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から③」
[7] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑥~
[8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑫
[9] 2007年度・今後の事業予定
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┏ [1] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座③」
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日時:9月28日(金) 午後2時~4時
会場:西東京市役所田無庁舎202・203会議室(西武新宿線田無駅南口徒歩3分)
テーマ:初中級レベルの学習者の話す力を伸ばすには~『日本語おしゃべりのたね』を使って~
対象者:現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティア、及び経験者等
講師: 沢田幸子さん(『日本語おしゃべりのたね』共著者)
参加費:NIMIC会員無料/会員でない方は1,000円
定員:40名
申し込み:8月27日から先着順で受付
メール info@nimic.jp FAX 0422-53-5350まで。
※この講座は西東京市社会福祉協議会「地域福祉活動助成金」を受けています。
★日本語ボランティア・スキルアップ講座について、詳しくはNIMICのHPで。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/nihongokouza.html
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┏ [2] イベントのお知らせ 子ども対象「伝承遊び教室」
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「伝承遊び」とは、昔からある日本の遊びのことです。遊びの上手な人が子どもたちにやさしく教えてくれます。
とき:8月24日(金)午前10時~12時
ところ:南町スポーツ・文化交流センター「きらっと」
対象:小学生から中学生まで40人(先着順)
申込み:当日直接会場へ
問合せ:西東京市生活文化課 TEL042-438-4040
共催:西東京市多文化共生・国際交流センター
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┏ [3] 事業報告「日本語を母語としない子どもの夏休み勉強会」
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外国人の小中学生対象「夏休み勉強会」の前半の5日間(7月23~27日)が、無事に終了しました。
5月19日(土)から7月7日(土)に開催された「日本語を母語としない子どもの学習支援ボランティア養成講座」を終了したばかりの方々のなかには、すでに学校などで適応指導の経験のある方、地域で大人の日本語学習支援をしている方、小中学校で先生をなさっていたり、現在も教えている方もいらっしゃいます。8回の講座を通して経験者も初心者も様々なことを学び、様々なことを考えました。それを持ち寄っての活動スタートです。
参加登録があるのは、中国、フィリピンなどの出身で、小学校1年生から中学校2年生まで9名の子どもたちです。ひらがな学習のときから、教科につないでいく「JSL(Japanese as Second Language)」の考え方で進めます。低学年の児童のなかには、じっと座っていられない子もいるので、遊びを取り入れた学習活動を行いました。児童・生徒の状況は実に様々で、なかなか難しいものがありますがみんなで協力しながら活動を続けていきたいと思っています。
8月の最後の週に、勉強会の後半を開催します。その様子は次号NIMIC通信でご報告します。
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┏ [4] 事業報告「外国人のお母さんのための生活に役立つ日本語講座」
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5月16日にスタートした保谷公民館での「お母さんのための生活に役立つ日本語講座」の第Ⅰ期が7月25日のスピーチ&パーティーで終了しました。
外国籍のお母さんたちが日本語を勉強している間は、公民館の保育担当の方がお子さんたちをしっかり遊ばせてくれます。フィリピン、トンガ、中国のお子さんたちがきちんと自己主張しながら活発に遊ぶ様子は、「日本人のお子さんたちより柔軟で開かれている」という保育の方のことば通り、とてもいきいきとしたものでした。
一方、日本語を勉強する部屋では、レベル別に輪になって全体で少し勉強をした後、マンツーマンもしくは少人数でそれぞれのニーズに合わせた勉強をします。今回は、早稲田大学と武蔵野市国際交流協会交流員の方にまとめ役として来ていただき、さらに市内各団体からサポートボランティア8名に参加いただくという贅沢な体制で臨みました。
8月1日には、スタッフが集まり、反省と今後の相談をかねた意見交換会を開きました。それぞれの立場でそれぞれの学びがあり、外国の方をサポートするだけではなく、市民の生涯学習の場としても機能していることが確認されました。
第Ⅱ期は9月12日の保育オリエンテーションからスタートします。今後も公民館やボランティアの方々と協力して楽しく有意義な活動を続けていきたいと思います。
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┏ [5] 事業報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座②」
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7月27日(土)午後1時からイングビル3階の会議室で「生活漢字のワークショップ~地域で使える漢字学習支援法~」が行われました。講師は、お隣の武蔵野市で長くボランティア活動を続けてこられたMIA漢字グループの皆さん6名で、西東京市内を中心に東久留米市、小平市や日野市、八王子市からも日本語ボランティアの皆さんが35名参加されました。
アルクの『月刊日本語』2006年12月号に掲載された漢字絵カードの紹介や、活動を続けてきての問題点、楽しさなどをお話いただいた後、漢字ビンゴや部首カルタをグループごとに実際に行い、その楽しさに歓声が上がっていました。
アンケートには「漢字を楽しく教える工夫が参考になった」「すぐに役立つ実践的な話がよかった」など、活動仲間の知恵や工夫に共感するコメントが寄せられました。今後も、ボランティアの皆さんの疑問に答える講座に力を入れていきたいと考えています。
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┏ [6] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から③」
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2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」と題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の都合により、残念ながら当日は出演していませんでしたが、コーディネート、練習等でご協力いただきました)「保谷和太鼓会」のメンバーがホンジュラスの首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリアルに伝えるおたよりを寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。
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「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来て数ヶ月。
日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。
-豆はいずこも伝統料理-
ホンジュラスはマヤ文明の南東端にあたります。グアテマラ国境近くのコパン遺跡は国内有数の観光地にもなっています。マヤの文化は今でもこの地に息づいており、ホンジュラスの伝統料理には、トウモロコシ粉を水で溶きクレープ状にして焼いた「トルティージャ」と、煮豆を練りつぶした「フリホーレス」が欠かせません。フリホーレスは豆の名前なのですが、料理も同じ名称で呼んでいます。そしてこのフリホーレス、色が小豆にそっくりです。それを練りつぶした姿は、まさに餡子。ただし砂糖は入れず、油と塩で味付けしてあります。家庭によって豆のつぶし具合が異なり、在留邦人の間では「粒餡」派と「漉し餡」派に分かれるようです。
やっぱり豆はどこでも伝統料理の代表格ですね。
そして、こうした料理が都市部では常食されなくなったり、手間をかけずにスーパーで手軽に買われるようになったりしている点も、日本と同じ時代の流れです。
とはいえ、食習慣は、他の文化に比べて継承性が高いように思います。
やはり、お袋の味へのこだわりは誰しも捨てられないものですから。
トルティージャとフリホーレスは、ハンバーガーやフライドチキンに負けず、きっとこれからも伝統食として後世に伝えられるでしょう。
(Yuko Watayama)
次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載しますので、お楽しみに!
★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html
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┏ [7] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑥~
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「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。
71日間、世界の青年たちとの船の旅
第六回 「国への思い」
長い間、船の上にいると平衡感覚は完全におかしくなる。いつも揺れている船の上を上手に歩けるようにはなったが、果たして地上に下りたとき、歩けるのだろうか。
船の上でのピンポンも上手になった。足元がゆれる中で打ったボールは同じくゆれる卓球台に落ちる。地上とは違う感覚だ。
船から見える夜空の星は、日本で見える星とはまったく違う顔をしている。暁の空に南十字星が輝く。日本では厳寒の季節に、私は13か国の青年たちと南の海にいる。夏のスーツも底をついてきた。船の上のクリーニング屋さんは大繁盛だ。皆、船に持ち込んだ服の着替えが少なくなっているのだろう。
そして船はシンガポール港に錨をおろした。食糧と水を補給するためだ。1万トンの「日本丸」もここで小休止というところだ。
今日一月二十六日はインドのナショナルデーだ。マハトマ・ガンジーがインドの英国からの独立運動を指揮したのだが、この日はまさにインドの独立を祝う日なのだ。
ガンジーの「非暴力・不服従」を提唱した思想は、大英帝国を英連邦へと転換させただけでなく、政治思想として植民地解放運動や人権運動の領域において平和主義的手法として世界中に大きな影響を与えた。私たち、多文化共生を願うものたちにとっても、尊敬すべき人物の一人だ。
そういう意味で、インドの独立記念日は共に祝う大きな価値のある日だ。
朝六時に私たちは全員甲板に集まり、インドの国歌と共に、国旗を掲揚した。講師陣の一人インドのライ博士は、各国の人々から「おめでとう」の祝福を受け、「ありがとう」を繰り返す。
インドの女性たちはサリーに身を包み男性たちもネクタイ姿。「今日は本当の意味でインドがスタートした日なのです」と。
久しぶりにシンガポールの地上に足を下ろした。
何だか足元がふらつく。地球の引力を久しぶりに味わっている。
(武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)
★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーはNIMICのHPでご覧いただけます。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html
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┏ [8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑫
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NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。12回目の今回は、6月にも取り上げたテーマである、日本文化、そして日本の歴史も考える本をご紹介します。
『日本の国宝50』
佐藤晃子/河出書房 2007年8月5日発行 定価893円
わが国の文化の最高峰にある「国宝」とは何か、どこが素晴らしいのか、誰がつくったのか・・・等、国宝について知ることは、日本の文化・歴史そのものを理解することではないでしょうか。
国宝とは、国が指定した重要文化財のうちで、特に重要なものを国宝と定め、国が保護するということです。
私たちは美術館で国宝と指定された絵画骨董を鑑賞すると、何か得をした気分になりますが、作者も同様であると言っています。
本書では、多くの人々が見聞きしたことのある有名な国宝50点を中心に絵画・彫刻・工芸・建築を取り上げて解説してあります。
解説は芸術的なポイントをわかりやすく、当時の時代背景からみたエピソード、特に贋作か本物かの見極め、作者不明だが本物と決めたいきさつなど、スリリングに大変わかりやすい説明となっています。構成は読者が鑑賞したい観点で、おなじみの国宝、謎や伝承を秘めた国宝・・・、驚くべき技法と知恵が凝縮した国宝と8章に整理されています。読者は興味のある章からから読むことができるし、また好きな国宝についてランダムに読んでも面白く理解できる本です。
(NIMIC理事 久保芳昭)
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┏ [9] 2007年度・今後の事業予定 ※詳細は随時お知らせします。
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9月28日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座③(5回シリーズ)
10月21日(日) (主に大人対象)音楽体験を通して共感・行動プロジェクト「二胡」
10月以降 世界の人々のくらし(シリーズで複数回)
11月11日 市民まつりに参加
12月1日(土) 東京都外国人のための専門家リレー相談会 ★
12月中旬 NIMIC忘年会(留学生・在住外国人・市民)
2008年
1月 外国人対象「着物で初詣で」
春休み 子ども対象英語で遊ぶプロジェクト
子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付)2期は9月から
※公民館事業に協力
★印は、西東京市との共催事業です。
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