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NIMIC通信 No.18(2007年10月)
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もくじ
[1] 西東京市民まつりに初参加! ボランティア募集
[2] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座④」
[3] 講座の報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座③」
[4] 事業報告「お母さんのための生活に役立つ日本語講座 第Ⅱ期スタート」
[5] 事業報告「NIMIC子ども日本語教室 説明会」
[6] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から⑤」
[7] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑧~
[8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑭
[9] 2007年度・今後の事業予定
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┏ [1] 西東京市民まつりに初参加! ボランティア募集
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NIMICでは、2007年11月に行われる西東京「市民まつり」に参加します。今年は初めての参加なので、より盛り上がると言われる11日(日)のみの参加です。
キーワードは「多文化共生の体験」。クイズやスタンプラリー、二胡体験などに加えて、各種情報提供も行います。
事前準備や当日の設営準備、説明、撤去などに参加してくださる「まつりボランティア」を以下のように募集します。NIMIC活動を支えてくださる皆さん、ぜひご参加ください。
★4つのコーナー担当各2名 計8名
①世界地図クイズ ②スタンプラリー(外国人の方対象:日本人名ベストテン調査) ③
情報提供:NIMIC、団体紹介、多言語印刷物等 ④二胡演奏の体験
★作業内容・活動日
○各コーナーの準備から説明・後片付けまで。11日のまつり開催時間は午前9時~午後3時30分。ご都合に合わせて交替あり。なお、③の資料は各団体が作成します。
○「まつりボランティア」のみなさんのご都合に合わせて、打ち合わせ日を決定。Eメールで意見交換後、作業日を設定。11月9日(金)に最終打ち合わせ予定。
○「市民まつり実行委員会」との調整・連絡等はNIMIC理事(久保)が担当します。
★ご協力いただける方は、10月20日(土)までにNIMIC事務局(info@nimic.jp)までご連絡ください。お問合せ、歓迎です!
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┏ [2] 講座のお知らせ「日本語ボランティア・スキルアップ講座④」
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日時 10月24日(水) 午後5時~7時
場所 武蔵野大学 7号館 7306教室
7号館は正門を入って右手奥の建物です。
http://www.musashino-u.ac.jp/accessmap/index.html(アクセス図)
http://www.musashino-u.ac.jp/about/campusmap/index.html(キャンパスマップ)
テーマ 「生きた日本語を教えるくふう②」(①は2006年度開催終了)
対象者 現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティア、および経験者
講師 佐々木瑞枝さん(武蔵野大学大学院教授、NIMIC代表理事)
参加費 NIMIC会員500円/会員でない方は2,000円
定員 30人
申し込み 先着順で受付。メール info@nimic.jp、FAX 0422-53-5350まで。
★日本語ボランティア・スキルアップ講座について、詳しくはNIMICのHPで。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/nihongokouza.html
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┏ [3] 講座の報告「日本語ボランティア・スキルアップ講座③」
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9月28日午後2時から4時まで、西東京市役所田無庁舎202・203会議室で、第3回スキルアップ講座が開かれました。タイトルは「初中級レベルの学習者の話す力を伸ばすには~『日本語おしゃべりのたね』を使って」で、講師は『日本語おしゃべりのたね』の著者でもあり、大阪で大学等で教えながら長くボランティア活動も続けていらっしゃる澤田幸子さんでした。大阪から日帰りで駆けつけてくださるバイタリティの持ち主は、お話もパワー満載で、あっという間の2時間でした。
地域のボランティア教室は多文化共生の最前線で、そこでこそ互いに学びあう、育ちあう活動が展開できるという理念に基づいた実践を、非常にわかりやすく話してくださいました。おしゃべりは人間関係構築に有効な手段で、人間関係が築ければ、地域で暮らしやすくなるし、災害時にも気に掛けてくれる人ができる、そのための大切なおしゃべりということです。ただ、雑談と違う‘おしゃべり’が苦手な人もいるので、ネタを詰め込んだ本をまとめたそうです。また、おしゃべりが言語習得に有効なこと、そのためのボランティアの関わり方もまとめていただき、参加者の皆さんは、大いに納得し、今後肩の力を抜いた活動が続けられる、という感想を寄せられました。
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┏ [4] 事業報告「お母さんのための生活に役立つ日本語講座 第Ⅱ期スタート」
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保谷公民館での「お母さんのための生活に役立つ日本語講座」の第Ⅱ期が9月12日の保育オリエンテーションからスタートし、12月5日の終了パーティーまで続きます。19日の学習初日には、絵カードなどを使っての自己紹介ワークショップから始まり、参加者の皆さんが住んでいるところや好きなことも分かり、身振り手振りで話が弾みました。参加者は5ヶ国から14名の学習者、日本語教育の専門家2名、ボランティア8名です。他にお子さんが13名、保育スタッフ3~4名、公民館職員2名、NIMICコーディネーター1名が関わっています。時々送迎を手伝ってくださるご家族の方、様子を見にいらっしゃるだんなさんやおばあちゃん、離乳食など相談があるときに対応してくださる保育所スタッフ、歯磨きなど健康に関する特別講座を担当する専門家など多くの方々のサポートで運営されています。
日本語学習は、コミュニケーション重視のグループ活動と個別のニーズやレベルに対応したマンツーマン活動の両方を取り入れていますが、小さなお子さんを連れて朝早く出かけるのは大変なようで、集合時間がずれることもあり、第Ⅱ期からマンツーマン⇒グループという流れにしています。運営は全員で話し合いながら、各自の専門性や得意分野を生かしていますが、外国の方をサポートするだけではなく、ボランティアの皆さんや公民館職員の方々にとっても学びの場となっています。
これからも、地域のたくさんの方々の協力を得ながら豊かな活動に育っていくことを願っています。
★「お母さんのための生活に役立つ日本語講座 第Ⅰ期」の様子はNIMICのHPで。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/070725kouminkan.html
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┏ [5] 事業報告「NIMIC子ども日本語教室 説明会」
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去る9月27日木曜日の夜、田無のイングビルで、NIMIC子ども日本語教室の説明会が行なわれました。
集まったのは、さまざまな国にルーツを持つ小学生5人と中学生2人、そのお母さん、お父さん、おばあちゃんやご兄弟。さらに、市の教育委員会担当者、生活文化課担当者、そしてNIMICスタッフ……。様々な年齢の方が集い、和やかに説明会の開始となりました。
「皆さんの国の言葉で『こんばんは』は、何といいますか?」というNIMIC担当者の問いかけに答える元気な声、恥ずかしそうな声。その中には、夏に聞いた声も、初めて聞く声もありました。
教室に通うことに対する保護者の同意書を提出して欲しい旨など、ひととおり全体への説明が終わった後は、小学生中学生に分かれて、担当するボランティアとの個別の面談を行ないました。夏に知り合ったお子さんに「元気にしてた?」と声をかけるボランティアの姿を、保護者の方が嬉しそうに見つめておられたのが印象的でした。
この日集まったボランティアは17人。春から、NIMICと市の共催で行なわれた「日本語を母語としない子どもの学習支援講座」に参加、第一線で奮闘してこられた講師の方々の素晴らしいお話を伺ってきたメンバーです。
講座受講の動機も知識や経験も様々ですが、子どもたちのお手伝いがしたい、という気持ちは同じ。講師の方々の姿を目標に、悩みは語り合い、知恵を出し合って行くことでしょう(例えば、私の所属する中学生担当は、都立高校の入試問題を実際に解いてみて、その範囲の広さと要求される日本語力の高さに改めて驚き、特に範囲の広い地理の知識をさりげなく身につけられる方法を模索中です)。
10月からの教室スタート時には、小学生7人をボランティア13人で、中学生3人をボランティア5人で教えていく予定です。
皆様の温かいご声援を、どうぞよろしくお願いいたします。
(NIMIC子ども日本語教室 ボランティア 徳丸 由利子)
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┏ [6] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から⑤」
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2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」と題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の都合により、残念ながら当日は出演していませんでしたが、コーディネート、練習等でご協力いただきました)「保谷和太鼓会」のメンバーがホンジュラスの首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリアルに伝えるおたよりを寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。
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「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来て数ヶ月。
日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。
-赤ちゃんの将来は誰が救う?-
日本は老齢化社会が問題になっていますが、ホンジュラスにそんな心配は全くありません。一方で、日本にはない途上国の悩みをたくさん抱えています。その一つが乳児の死亡率で、何と日本の10倍を超えるそうです。その二大要因は肺炎と下痢。日本でなら簡単に治せる病気が、ここでは恐ろしい致命傷なのです。
一部の調査では、乳児死亡数の減少につながる要因として「地域の健康ボランティアの数が増える」とか、「思春期妊娠率が下がる」などが挙げられる中、「小学生の退学率が上がる」という意見もあったそうです。
一見、子どもの退学と赤ちゃんの死亡率には何のつながりもないようですが、ホンジュラスに長い日本人に話を聞いてみると、「子どもが学校に行かず働けば収入が増え、病気が治せる」、「家にいて赤ちゃんの世話をしてくれれば病気が防げる」という論理なのだそうです。
その調査結果は、貧困にあえぐ大多数のホンジュラス人の切実な声を反映しています。けれどもそれで子どもたちが学校に行かなくなれば、今の悪循環はこれから先も続きます。逆に学校で基礎知識を身につけることで、病気を防ぐ割合も高くなるはずなのです。
医療や健康も、基本となるのは教育です。
基礎教育の充実、これがホンジュラスに今最も求められている課題であるとつくづく感じたエピソードでした。
ついでながら、出産にまつわるホンジュラスの不思議な習慣を一つ。
ここでは、赤ちゃんを産んだばかりのお母さんは1ヶ月間、耳に綿を入れて過ごすそうです。
理由は不明、医学的根拠もないようです。
耳に綿など入れていたら、赤ちゃんの小さな変化に気づかなくて困らないのかしら、と余計な心配をしてしまいますが、それはさておき、一人でも多くの子どもが教育の機会を得て、その子どもが成長してたくさんの元気な赤ちゃんを育ててほしいと願わずに入られません。 (Yuko Watayama)
次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載しますので、お楽しみに!
★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の和太鼓~」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html
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┏ [7] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅⑧~
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「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。
71日間、世界の青年たちとの船の旅
第八回 「多文化共生は言語の習得から」
船の上というのは「海」に浮かんだ「多文化の教室」だとも言える。
それも実に多くの文化と言語が「閉ざされた空間」の中で行きかう、生きた教室だ。
グローバリゼーションの進む中で、英語が世界を闊歩しているが、船の上で一番使われる言語はアラビア語だろう。
船の上ではアラビア語のレッスンが始まった。講師はエジプト人のバハ先生。エジプト、モロッコ、チュニジア、オマーン、クウェート、アラブ首長国連邦の参加青年たちが同じ母語を使ってコミュニケーションできるのは、日本語を母語とする我々にとっては、羨ましい限りだ。
「アラビア語のアルファベットは全部でたったの二十九、簡単でしょう」とバハ先生はおっしゃるが、黒板の右から左に模様のような文字が続き、しかも文字が独立形のほかに語頭、語中、語尾に字形変化があると聞いて「とても無理、簡単な会話だけ教えてください」とKさんが言ったのも分かる気がする。
「外国人が漢字を覚えるのは、もっと大変だと思うわ」と私が言うと、「本当にそうですね」と日本人の青年たちが同調する。「外国語と言えば英語と思っていましたが、改めて『言葉の多様さ』に気がつきました」とYさん。
21世紀の今、世界の一体どれぐらい多くの地域でアラビア語圏の国々と他国の衝突が起きているだろう。
キリスト教とユダヤ教の聖地エルサレムでも、衝突は起き、またイラク紛争もしかり、現在問題になっている「自衛隊の海上燃料補給」にしても、何のための補給かを考えると、仮想敵国としているのは「アラビア語圏」の国と地域だ。
こんなことをしていて良いのだろうか。
「日本丸」というたった1万トンの船の中ではあったが、アラビア語圏の若者たちが、嬉々として他国の青年たちにアラビア語を教えてくれた。そこには確実に「多文化が共生する」空間が存在した。
地球を平和にするには、我々がもっとアラビア語圏の文化を理解すべきなのではないだろうか。
私たちもアラビア語が覚えられますように。
アッサラーム ― 「あなたに平安あれ」。
(武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)
★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーはNIMICのHPでご覧いただけます。
→→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html
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┏ [8] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために⑭
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NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
日本社会の過去数十年の変化の方向は、情報化・国際化・都市化・多様化というキーワードでとらえることができますが、「国際化」とは、日本人が外国に住み外国で活躍するようになったこと、外国人が多数日本に住み日本人と共存するようになったことです。この「多文化共生」社会にはここ数年、“デジタル化”という新しい波が。14回目の今回、ご紹介するのはこのデジタル・コミュニケーションについて書かれた本です。
「デジタル時代の日本語作法」
2007年7月、 井上史雄 荻野綱男 秋月高太郎 岩波書店
デジタル・コミュニケーションの代表的なものとして本書では、「ケータイ」と「メール」を取り上げています。Ⅲ章・Ⅳ章などではしっかり「メール文の書き方」といった多くのハウツウ本にあるような内容もあげられていますが、社会言語学者の3氏の主眼は「作法」という言葉では言い切れない、現代のコミュニケーション論に置かれています。
社会のデジタル化に伴い、新たな作法が生まれつつあり、各人がそれを身に付ける必要がある、というスタンスで書かれていますが、堅苦しくなくまとめられています。
「メールは書き言葉ではない」「メールを受け取ってから、“なにかしなければいけない”と思わせる時間圧」など興味深い視点もあり、「日本語Eメールの書き方」などを指導される日本語指導者にもまた、参考になるのではないでしょうか。
(NIMIC理事 種村政男)
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┏ [9] 2007年度・今後の事業予定 ※詳細は随時お知らせします。
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10月21日(日) 優美な音色を体験!「二胡体験講座」 ★
10月24日(水) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座④(5回シリーズ)
11月11日(日) 市民まつりに参加決定! ※「まつりボランティア」募集中!
12月1日(土) 東京都外国人のための専門家リレー相談会 ★
12月中旬 NIMIC忘年会(留学生・在住外国人・市民)
12月以降 世界の人々のくらし(シリーズで複数回)
2008年1月 外国人対象「着物で初詣で」
1月25日(金) 日本語ボランティア対象、スキルアップ講座⑤(5回シリーズ)
春休み 子ども対象英語で遊ぶプロジェクト
子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付)2期は9月から12月5日まで ※公民館事業に協力
★印は、西東京市との共催事業です。
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