西東京市多文化共生センター


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   NIMIC通信 No.30(2008年10月)
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もくじ
[1] 事務局より「市民まつり出展サポーター」募集
[2] 講座お知らせ「日本語ボランティア・ステップアップ講座④」
[3] 講座報告「日本語ボランティア・ステップアップ講座③」
[4] 事務局より「天津市河西区の小学生との交流事業について」
[5] 事務局より「NIMICのNPO法人化について」(速報)
[6] 会員より「武蔵野大学摩耶祭・留学生模擬店へどうぞ」
[7] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から(16)」
[8] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅(19)
[9] キーワードを読む~「多文化共生」について理解を深めるために(26)
[10] 2008年度・今後の事業予定
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┏ [1] 事務局より「市民まつり出展サポーター」募集
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 第8回西東京市民まつりが11月8日(土)、9日(日)に開催されます。
 NIMICは、昨年は初出展で1日だけでしたが、今年は2日間出展する
こととしました。
 市民まつりの目的は、市の伝統、風土、地域文化の創造を高め、市民と
市との協働により、人と人とのつながりをより大切にする市民まつりとなって
います。
 NIMICの出展テーマは、「市民の皆さんに、多文化共生をわかりやすい
体験を通じて理解を醸成すること」です。そのためのキーワードを、「多様な
文化の理解と交流」「多様な文化的背景を互いに理解しあっての共生」
「市民の国際交流」としました。
 そこで、会員の皆さんから市民まつりの出展サポーターを募集します。

市民まつり日時 11月8日(土)10時~16時、9日(日)9時~15時半
内容 (1)NIMIC出展のテーマを実現する展示の準備
   (2)市民まつり当日の準備、来場者への対応、後片付け ほか
※当日は上記時間を交代で担当したいと考えています。
少しでもお手伝いいただける方の応募をお待ちしています。
10月17日(金)までに以下のいずれかの方法でお申し出ください。
 メール:info@nimic.jp  FAX:0422-53-5350
 「NIMIC市民まつりサポーター」をタイトルにして、お名前と連絡先
(メールアドレスまたはTEL・FAX)をご記入ください。

★昨年の市民まつりの様子(写真)はNIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/071111shiminnmatsuri.html
★文章による昨年の市民まつりの報告は、NIMIC通信No.20をご覧ください。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/no20.html

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┏ [2] 講座お知らせ「日本語ボランティア・ステップアップ講座④」
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 2006年から毎年1回「生きた日本語を教えるくふう」シリーズとして、
NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある佐々木瑞枝先生に
インタラクティブで楽しい講座をご担当いただいています。
 日本語が母語でない人が間違いやすく、また母語話者としても理解が
難しいことを取り上げていただいてきましたが、今年は形式名詞です。
 参加者を惹き付ける佐々木先生のお話には、明日からの活動にすぐに
活かせるヒントがたくさん埋め込まれていますのでお楽しみに!

日時:11月14日(金) 午後2時~4時
会場:イングビル3階 第1・2会議室
  (西東京市役所田無庁舎隣・西武新宿線田無駅南口徒歩3分)
テーマ:「生きた日本語を教えるくふう ~形式名詞(こと・物)の指導法~」
講師:佐々木 瑞枝 氏 (武蔵野大学・大学院教授/NIMIC代表理事)
対象:現在外国人の日本語学習をサポートしているボランティア、及び経験者等
定員:30人
参加費:NIMIC会員500円  非会員2,000円(当日入会可)
申込: メール:info@nimic.jp?? FAX:0422-53-5350(先着順)

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┏ [3] 講座報告「日本語ボランティア・ステップアップ講座③」
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 9月20日(日)、NIMIC主催の「ステップアップ講座」が開催されました。
 今回のテーマは「漢字を学習するとはー非漢字出身の方の体験的学習法」。
オーストラリア出身で、現在はMIA(武蔵野国際交流協会)で活躍し、
三鷹市内の2つの小学校で英語の教師をしているトーマス・ロウさんが
講師でした。
 ロウさんは日本語が全く分からない状態で来日した時の苦労から、
どうやって日本語を学んだか、とりわけ非漢字圏の国出身者には難しい
漢字を学ぶ方法をどう自分で作ったかをさわやかな笑顔とジョークを
交えながら話し始めました。
 まずロウさんは、イメージ豊かに簡単な漢字の部首に注目し、ストーリーを
作りました。次に、常用漢字2000字のすべての部首にも作りました。
 例えば、「古」の上の十はテン、下の口はマウス、「古い話が十の口」、
「可」はスーパーマン、スーパーマンが2人であくび「欠」して「歌」などと
想像してつくります。こうすると自分だけの文字を作ることになり、忘れません。
わからなくても思い出せます。読むことと書くことは違います。自分で
想像し話をつくり、字と絵を描きます。
 すべての漢字の部首に独自の方法で想像力豊かに話をつくったロウさんの
努力に感心するとともに、日本語で育ちふだんは気がつかない私たちが、
非漢字圏から来た目の前にいる子どもたちに漢字を教えるときに、五感を
使いイメージ豊かに想像すること、発想を転換して考えることがいかに
大切かを学んだひとときでした。
 最後に、ご本人が英訳を付けた「百のうた千の想い-甦る平和百人一首」を
紹介してくれました。これは、心に残る素敵な本です。ぜひご購読あれ!
また、10月25日(土)には漫才をMIAでやる予定だそうです。
皆さん、いかがですか?
   (NIMIC会員 穂坂晴子)

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┏ [4] 事務局より「天津市河西区の小学生との交流事業について」
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 天津市河西区の小学生交流事業の日程が決まりました。
 その報告と、市や市教育委員会にも協力をいただけるようお願いするため、
10月2日(木)午後、佐々木代表理事以下理事4名で、市長に面会しました。
 生活文化課長と担当者も同席のもと、1時間ほど懇談させていただきました。
 市長からは子ども対象のこの事業の意義を認めていただき、後援など
できるだけご協力くださるとのこと、また、具体的な見学先などについても
情報をいただきました。さらに、市内には国際交流をしている、あるいは
理解のある有力な団体も数多くあり、こうした団体とも、相互に理解・協力
し合って、より事業の充実に努めるようにとの助言もいただき、大変心強い
思いでした。

■交流事業概要
 日程 2009年3月7日~13日
 来日人数 小学生10人、引率の大人3人
 滞在中は、協力家庭にホームステイし、市内小学校を訪問して交流するほか、
日本や西東京の文化や生活を理解するきっかけになるようなプログラムを
検討していく予定です。来日する小学生は音楽・絵画・書道などに秀でた
子どもたちで、それらを発表してもらうことを考えています。

 ホームステイや交流プログラムのサポートなど、皆様のご協力を
お願いいたします。
 事業の詳細は決まり次第、NIMIC会員の皆さんにお知らせします。

※天津市河西区との交流のきっかけについては、NIMIC通信No.20を、
また、理事による天津市河西区訪問については、NIMIC通信No.24・No.29を
それぞれご覧ください。

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┏ [5] 事務局より「NIMICのNPO法人化について」(速報)
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 6月に「特定非営利活動促進法」に基づき、特定非営利法人(NPO法人)
設立の認証の申請をしましたが、東京都の認証を得ることができました。
 これを受けて、10月7日、NIMICは「特定非営利活動法人西東京市
多文化共生センター」としてNPO法人の設立登記が完了しましたことを
ご報告します。

 NPO法人化に伴う変更等については、改めてお知らせします。

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┏ [6] 会員より「武蔵野大学摩耶祭・留学生模擬店へどうぞ」
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 西東京市内の大学である武蔵野大学で、学園祭「摩耶祭」があります。
武蔵野大学には10カ国から200名を超える留学生が学びに来ており、
摩耶祭では、学部の留学生会を中心に模擬店を出すことになっています。
 毎年大人気の水餃子やチジミを食べに来てみませんか。
 「おいしい!」などの言葉に、留学生たちはいつも励まされているようです。

日時:10月24日(金) 25日(土) 26日(日) 午前9時~午後5時
場所:武蔵野大学
 (留学生の模擬店は北門近くの8号館前、正門から徒歩5分くらいです)

武蔵野大学ホームページ キャンパスマップ
 http://www.musashino-u.ac.jp/ao_extension/campus_map/index.html#14

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┏ [7] 会員より「坂の街・テグシガルパの窓から(16)」
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 2006年6月に「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・日本の
和太鼓~」と題して行ったイベントに協力していただいた(お仕事の
都合により、残念ながら当日は出演していませんでしたが、コーディネート、
練習等でご協力いただきました)「保谷和太鼓会」のメンバーがホンジュラスの
首都テグシガルパに赴任し、現地の様子をリアルに伝えるおたよりを
寄せてくださいました。以下にご紹介します。
※テグシガルパは盆地とはいえ、たくさんの丘があり、坂の多い街だそうです。

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 「仕事でしばらくホンジュラスに行ってきます」
 友人知人にこう報告すると、返ってくる答えは判で押したように、
「へぇ…で、どこでしたっけ、それ?」
というものでした。
 そんな知られざる中米の国、ホンジュラスに来てはや1年。
 日々の暮らしで出会った小さな驚き、発見のあれこれをお届けします。

-空港騒動(その2)-
 首都テグシガルパの空港で飛行機がオーバーランし、5名の死者を出す
事故が起こりました。
 この飛行機事故で亡くなった方に諸外国の要人が含まれていたため、
対外的感情に配慮してか、かねてから事故が多発していた首都空港への
中・大型機の発着を禁止する、と大統領が突然発表。首都から事実上、国際
空港が消えてしまいました。
 この国で首都以外の国際空港といえば、商業都市サン・ペドロ・スーラの
空港ですが、首都からは車で(ホンジュラスには電車が存在しないのです!)
4時間近くかかります。
 突然のことで最初は情報が錯綜し、どの空港から自分の乗る便が出るのか、
どうやって移動すればよいのかと利用客が混乱する一方で、首都から突如
どやどやと押し寄せてきた乗客を受け入れるサン・ペドロ・スーラの空港も
一時カオス状態に陥りました。
 人々は当初、こんな状態が長続きするわけはない、すぐに元通りになるさ、
とタカをくくっていました。この国では、政府の公式発表が撤回されることなど
日常茶飯事です。しかし周囲の期待(?)に反して今回の大統領の決意は
固く、10日経ち、半月経ち、1ヶ月を過ぎても発着禁止措置は続きました。
空港閉鎖が長期化するにつれて外国人が来なくなった首都のサービス
業界も収入源を失い、青息吐息です。
 確かに乗客の安全は何よりも優先されてしかるべきです。これ以上の
犠牲者を出さないために、空港閉鎖はやむをえない措置であったかも
しれません。問題は、これまで国として首都空港の拡張工事や他への
移転に真剣に取り組んでこなかったことです。
 こんなところにも、政権が変われば政策も、下々の役人までもがごっそり
入れ代わるという、途上国の政治の脆弱さが表れている気がしてなりません。
大統領がいくら禁止措置を続けても、彼の任期は残りわずか、次の選挙
では空港再開案が票集めに使われることでしょう。
 1ヵ月半後、とうとう各界の圧力に屈した大統領は、禁止措置を解除
しました。こうして、何事もなかったかのように「危険な空港」はこれからも
使われていくことになりそうです。
  (Yuko Watayama)

 次号も、「坂の街・テグシガルパの窓から」を掲載します。
お楽しみに!

★2006年「西東京市で響きあう ~共演、ガーナの太鼓・
日本の和太鼓~」の様子は、NIMICのHPでご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/event/060617.html

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┏ [8] 世界の国々・人々 ~忘れられない旅(19)
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットを
あて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形で
お届けしていきます。
 引き続き、NIMIC代表理事であり、武蔵野大学・大学院教授でもある
佐々木瑞枝先生の書き下ろしエッセイをご紹介します。

71日間、世界の青年たちとの船の旅

 19回 「アテネ日本人学校の子どもたち」

 ビレウスに停泊中の「にっぼん丸」にアテネの日本人学校の子どもたちが
遊びに来た。広い船の中に子供たちのはしゃいだ声がよく響く。
 子供たちもこんなに大きな船の中を見るのはよほど珍しいのだろう。

 船内の売店を見ては「あっ、カップヌードル売ってる。懐かしーい」と
歓声をあげる。今や、カップヌードルも懐かしい「お袋の味」なのだろう。
?
 「日本人こんなに見るの久しぶり」と、100人の日本人青年たちを前に
嬉しそう。ギリシャという異国の地で、ギリシャ人社会の中のマイノリティー
として生活する子どもたちにとっては、日本語の通じる我々が100名も
船にいるということ自体が喜びであるようなのだ。

 「母語とは何と有難い存在」と子どもたちの無言のメッセージが伝わってくる。

 子どもたちは船の中を駆け回り、青年たちもうれしそうに相手を務める。
 「日本の学校で“落ちこぼれ”と見られていた子どもでも、ここで手をかけて
教育すると、みるみる実力を発揮しだしますよ」と先生。
?
 「もともと子どもに落ちこぼれなんて、いないんでしょうね」と私。
中学校からはアメリカンスクールに進む子どもも多いという。
?
 「日本では成績に自信がなくて、ゲームセンターに入りびたっていた
二男が、アメリカンスクールでは白分から積極的に勉強しだして……日本に
いたら、勉強嫌いで終わっていたところでしたよ」と一流商社の代表を務めるZ氏。
?
 ここで伸び伸びと育った子供たちが帰国した時、日本社会の狭い「良識」に
潰されないことを願うのみである。
     (武蔵野大学・大学院教授 佐々木瑞枝)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーは、NIMICのHPで
ご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [9] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(25)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。
この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の
紹介を始めました。
 25回目の今回は、アメリカの作家シンシア・カドハタの本を2冊
ご紹介します。

『きらきら』 シンシア・カドハタ著 代田亜香子訳 白水社
『草花とよばれた少女』   (同上)

 本の対象はどちらも小学校高学年から大人までで、少女の目から
見て描く家族のあり方や人生が奥深く、読み応えがあります。作者は
戦後(1956年)生まれの日系3世で、自身や家族の実体験がベースに
なっています。
 『きらきら』は1950~60年代の、『草花と・・・』は太平洋戦争前から
戦時中のアメリカが舞台です。3世が育つ時代になっても白人の社会に
溶け込めないなかで、日系人が肩寄せあって暮らす世界・・・貧しく厳しい
暮らしですが、夢を持って前向きに明るく進む人々が描かれています。
 これらの本の時代から50年が過ぎ、ついに移民の国アメリカで、初めて
白人以外の大統領候補が登場しました。選挙結果はいかに?現実世界も
充分にドラマチックで目が離せませんね。
  (NIMIC会員 根本 百合)

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┏ [10] 2008年度・今後の事業予定 
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※詳細は随時お知らせします。
2008年
10月12日 二胡体験教室 ★
11月7日 こども日本語教室ボランティア フォローアップ講座 ★
11月8日、9日 市民まつりに参加
11月14日 日本語ボランティア・ステップアップ講座④
12月13日 外国人のための専門家リレー相談会 ★
12月 NIMIC忘年会
2009年
1月 日本語ボランティア・ステップアップ講座⑤
3月 子ども対象「英語で楽しく!」 ★
3月7日~13日 天津市河西区の小学生との交流事業

子育て中のお母さんのための生活に役立つ日本語講座(保育付)
 2期は、9月17日から12月17日まで開催中 ※公民館事業に協力
その他、世界の人々のくらし(シリーズ(複数回)を実施予定(時期未定)

  ★印は、西東京市との共催事業です。

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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
 メールはこちら→→→ info@nimic.jp
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
 http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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発行・編集
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住所 〒202‐0023 西東京市新町1-12-3
FAX 0422‐53‐5350
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