西東京市多文化共生センター

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  NIMIC通信 No.47(2010年3月)
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もくじ
[1] 報告「世界の人とともに その2 〜韓国出身 西東京市在住〜」
[2] お知らせ「5月から韓国語勉強会をスタート予定」
[3] 事務局より「多文化共生センター窓口相談員兼事務員募集」
[4] NIMIC理事会だより(3)
[5] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(7)
[6] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(42)
[7] 2009年度・今後の事業予定

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┏ [1] 報告「世界の人とともに その2 〜韓国出身 西東京在住〜」
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 3月1日(月)、多文化共生センターにて「世界の人とともに」の第二回目が
開催されました。今回は韓国出身のシン・キュソブさんから、「韓国の多文化
家庭」について、NIMIC会員11名がお話を聞きました。当日はシンさんから
韓国の伝統茶と朝鮮人参キャンディもごちそうになりました。
 前半は、シンさんが用意してくださった資料に沿って「韓国の多文化家族の
実態と支援法について」のお話を聞きました。韓国における多文化家庭の
背景には、農村地域の嫁不足、外国人労働者の増加があり、日本と重なる
部分も多く、実態がよく理解できました。また、『多文化家族支援法』という
ものがすでに施行されており、国としての政策・支援が整っているようであり
ながら、韓国教育を主とした、移民者・難民、ひいては多言語の排除につながる
恐れもあるという問題点まで掘り下げた深い内容でした。
 後半は来日約20年のシンさんが日本に来たきっかけや、いろいろな
経験談を披露してくださいました。なかでも、日本で育ったお子さんの
アイデンティティーについて憂慮されてきたお話は、日韓関係も絡み、非常に
デリケートで難しい問題で、印象深いものでした。
 まさに「世界の人とともに」共生を目指すことの重要性を再認識した、
有意義な時間でした。まだまだお話をお聞きしたいと思いながらの名残
惜しいおひらきとなりました。
   (NIMIC会員 鵜野淳子)

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┏ [2] お知らせ「5月から韓国語勉強会をスタート予定」
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 5月17日から、月に2回の予定で、月曜日午後7時〜8時30分、
イングビル内で、SHIN GYU SUB(シン・キュソブ)さんを講師に韓国語勉強会を
スタートします。
 NIMIC会員だけでなく市民に開かれた講座として(定員15名)、多文化
共生の意識を広げるものとする予定です。
 詳細は追ってお知らせします。お楽しみに!

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┏ [3] 事務局より「多文化共生センター窓口相談員兼事務員募集」
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 平成22年度、多文化共生センター窓口は週5日オープンし、多言語対応も
できる態勢を整える予定です。そこで、NIMICでは、センター窓口相談員兼
事務員を募集します。
 募集期間は4月1日〜9日です。
 詳しくは市報4月1日号をご覧ください。

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┏ [4] NIMIC理事会だより(3)
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 第47回の理事会は平成22年2月18日に行われました。夏休みを除き、
原則月一回開かれますが、気がつきましたら既に50回に近い会合を重ねて
いるわけで、理事同士もすっかり気心が知れ、同志とまでは言わずとも
親しい仲間であり、ざっくばらんな議論を重ねています。月一回の開催です
から、ここ一ヶ月に発生した問題の報告、次の一ヶ月ないし数ヶ月の予定の
報告、そして当センターの中長期的の運営方針について議論され、審議され、
その賛否を問う議決機関となっています。
 今回の理事会の特徴は、期末を控え来年度の方針を方向付ける大切な
会合でした。また、今回も西東京市生活文化課の飯島課長、水口主事が
オブザーバとして参加しました。
 以下、簡潔に、今理事会の様子をご報告いたします。
■主な報告事項
・会員状況や事業の進捗状況、窓口相談状況など定例的な報告
・通訳ボランテイア活動状況、介護ホームへの通訳派遣の現況などに
ついての報告
・「世界の人とともに その2 〜韓国出身 西東京在住〜」および
 「子ども対象 『英語で楽しく』」各事業の準備状況の説明・報告
■主な審議事項
・次回のNIMIC総会日程について
・次年度の役員体制、主として理事の補強について
・来年度、週5日開所に向けた体制整備について
■西東京市生活文化課から
・今年度試行した、外国人の相談窓口事業の一層の拡充を図ることについて
・西東京市としてもNIMICを紹介する多言語のパンフレット等を作成し、PR
 することを考えている。
・「外国籍市民によるスピーチコンテスト」についても、実施の折には積極的に
支援していく。

 生活文化課のさまざまな話からは、NIMICの活動に対し、市側の期待がより
高まっているように感じられました。
   (財務担当理事 斎藤 勝)

【通訳ボランティア対応】
 中国語・台湾語  3月 26日(金) 午後2時〜4時
  中国語 3月12日(金)、26日(金) 午前10時〜正午
 英語    3月 1日(月) 午前10時〜正午
 韓国語  3月 26日(金) 午前10時〜正午
 中国語、英語、韓国語でのサポートが必要な方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、この情報を提供してください。

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┏ [5] 世界の国々・人々 〜多文化に生きる(7)
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 「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットを
あて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形で
お届けしていきます。
 現在、オーストラリア・国立マッコーリー大学 元日本学科長チャオ・埴原
三鈴先生によるエッセイを連載しています。

多文化に生きる

 7回

 多文化先進国と謳われるオーストラリア。しかし、40年近いその過程は
常に順調だったとはいえない。反動政権が出て、「白豪主義」に逆戻りかと
感じられた時期すらあった。しかし、多文化主義は根強く浸透していった。
これには、次世代の教育を担う先生達に負うところが大きいと、いつも思う。
特に小学校の先生に優秀で、かつ信念を持った教育者が多い。前回に続いて
小学校でのエピソードをもうひとつご紹介しよう。

 娘が四年生の時、担任のホンドゥ先生は一学期のプロジェクトとして
子供たちに「お祖父さんの国を知りましょう」というテーマを与えた。
子供たちのお祖父さんの出身国を見るとイギリス、スコットランド、イタリア、
レバノン、インドなどいろいろな国が出てきた。娘がいるので日本も
テーマ国の一つになった。先生は子供たちを国によってグループに分けた。
何代にも渡って生粋のオーストラリアっ子もどこかのグループに配属
された。各グループは、まずテーマ国の歴史、地理、産物など調べた。
子供たちにとってテーマ国はただ「よその国」ではない。〇〇ちゃんの
お祖父さんの国である。興味が一段と違う。図書館にいったり、地図を
みたり、熱心に勉強した。お祖父さんが近くにいれば実際に来てもらって
話しを聞いた。好奇心にかられた子供たちの質問にも答えてもらった。次に
子供たちはその国の歌や踊りを習った。簡単な言葉も覚えた。こうなると、
家族動員である。お祖父さんお祖母さん、親たちも学校に出向いて、
童謡やダンスを教えたり、正しい発音を紹介したりした。学期の総仕上げは、
各グループによる寸劇であった。せりふは全部、夫々の国の言葉。歌や
ダンスもあった。私も学校に出向いて、日本グループの子供たち一人一人に
せりふを口移しで教え、皆が覚えるまで、一緒に歌を歌った。発表の当日は
早めに行って、子供たち一人一人に浴衣を着せた。

 発表会は賑やかであった。可愛い9歳、10歳の子供たち。色とりどりの
民族衣装を着て、グループごとにテーマ国の言葉でせりふをあやつり寸劇を
披露した。またその言葉で歌い、民族ダンスも紹介した。子供達は皆
いきいきとして、とても楽しそうであった。それを見る親たち、お祖父さん
お祖母さんたちも誇らしげに顔をほころばせていた。

 学期を通じて子供たちが学んだものは大きい。毎日遊ぶ友達が夫々色々な
国の背景を持っていること、自分の暮すオーストラリアは沢山の文化や
歴史が集まってできていることを肌で理解した。そして別の文化を知ることは
とても楽しいことも味わった。

 ホンドゥ先生のプロジェクトのもう一つの大きな効果は家族を巻き込んで
しまったことである。多文化社会の成功には次世代の教育が鍵である。
しかし、「大人の持つ」偏見が障碍になることが多い。家族の中でいつの
まにか子供たちにも伝わってしまうからである。ホンドゥ先生は特別優秀と
聞いていたが、彼女の考えの深さに頭が下がる思いであった。

     (チャオ・埴原三鈴〈Misuzu Hanihara Chow〉)

★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーは、NIMICのHPで
ご覧いただけます。
 →→→ http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html

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┏ [6] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(42)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。
この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の
紹介を始めました。
 42回目の今回は、大陸に位置する国境を考える作品です。10代の
若者を描く短編集で、児童書ヤングアダルトですが、大人も充分楽しめる
1冊です。

『国境まで10マイル —コーラとアボガドの味がする九つの物語—』
  ディヴィッド・ライス作 ゆうきよしこ訳
  福音館書店 2009年出版 1,600円

 メキシコの国境近く、アメリカ合衆国テキサスの〈リオ・グランデ・バレー〉
地域に住むメキシコ系の人々の暮らしを描きます。
 解説によると・・・もともとメキシコの一部だったこの地方は1835年に
独立戦争を起こし、米墨戦争を経て合衆国の州として併合されました。
もともとの住民とその後流入した移民からなる多くのメキシコ系住人が、
〈テックス・メックス〉として知られるメキシコと南部アメリカの融合文化を
かたちづくっており、それは食べ物・音楽・衣服・言葉・宗教(カソリック)など
生活全般にわたっているのです。
 スペイン語しか話さずTVもスペイン語放送を聞く祖父母世代、英語と
両方話す父母世代、スペイン語もあらかたわかるが英語しか話さない
若者たち。国境を越えて毎日アメリカで働くメキシコの人々と、休日に
メキシコへ行き床屋へ行ったり安く買い物をするアメリカ市民の、国境を
越えるたびに去来する思い。ラテン音楽と極彩色のドレスや花やインコ・・・
南国の香りがあふれる青春物語です。
 
     (NIMIC会員 根本 百合)

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┏ [7] 2009年度・今後の事業予定 
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※詳細は随時お知らせします。
2010年
3月13日 子ども対象「英語で楽しく!」


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 今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。
みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。
メールはこちら→ info@@nimic.jp(@マークをひとつ削除してお使いください)
★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html
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