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NIMIC通信 No.53(2010年9月)
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もくじ
[1] お知らせ「二胡体験講座」参加者募集!
[2] 講座お知らせ 市内日本語ボランティア団体で活動中の方へ
「日本語ボランティアフォローアップ講座」
[3] イベント報告「留学生と小学生の多文化ワークショップ
“ひょうたん島ワークショップ”無事終了しました!」
[4] 展示報告 留学生世代横断交流展示
「世界の留学生と市内の小学生が描いたひょうたん島を見に行こう!」
[5] 報告 「韓国からNIMIC視察に来訪」
[6] 報告「外国籍市民の方へ 総合防災訓練に参加しませんか」
[7] NIMIC理事会だより(9)
[8] 世界の国々・人々 多文化に生きる(13)
[9] キーワードを読む
「多文化共生」について理解を深めるために(48)
[10] 2010年度・今後の事業予定 -----------------------------------------------------------------------
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┏ [1] お知らせ 「二胡体験講座」参加者募集!
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NIMIC文化担当「楊智理事」による、二胡を聴いて、
自分でも楽器に触れてみる音楽サロンへの参加者を募集します。
当日は参加者全員分の楽器の用意もあります。
みなさんの参加をお待ちしております。
日時:9月23日(木・秋分の日)
第1回(午前10時〜12時)、第2回(午後1時〜3時)
場所:イングビル1階 多文化共生センター
定員:各回10名程度
講師:楊 智(NIMIC理事・二胡奏者)
費用:無料
*当日二胡を無料でお貸しいたします。
講座内容:(1)中国の伝統楽器の「二胡」演奏を聴く。(約30分)
(2)演奏の体験をする。(約1時間〜1時間半)
応募締切:希望の回を9月16日(木)午後4時までに下記応募先までご連絡ください。
*なお、定員を上回る際は抽選により選出させていただきます。
*希望にそえなかった方には20日(月)までにご連絡いたします。
応募先:イングビル内NIMIC事務局 TEL&FAX:042-461-0381
Email:info@(このかっこを削除してお送りください)nimic.jp
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┏ [2] お知らせ 市内日本語ボランティア団体で活動中の方へ
「日本語ボランティアフォローアップ講座」
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NIMICでは市の委託を受けて、市内の日本語ボランティア団体で活動中の方を対象に、フォローアップ講座を開催します。日程と内容は以下の通りです。講座の詳細、および募集と応募方法は、文化振興課から各団体へ案内が届いていますので、そちらをご覧ください。なお、各団体の応募締め切りは9月8日(水)で、応募状況と定員をみて、受講者が調整されます。
(1)日本語文法
日時:9月24日、10月1日、8日、15日
いずれも金曜日の午後2時4時の全4回
対象:市内の日本語ボランティア団体で主に成人対象に活動中の方
講師:庵 功雄さん(一橋大学)、森 篤嗣さん(国立国語研究所)
内容:『にほんごこれだけ!1』を使ったおしゃべり型活動の方法
(2)子どもの日本語学習支援
日時:10月29日、11月19日、12月10日
いずれも金曜日午後1時3時の全3回
対象:市内で日本語ボランティアとして子ども対象に活動中の方
講師:谷 啓子さん(東京女子大学)
内容:事例検討、子どものやる気を引き出す教材を考える
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┏ [3] イベント報告「留学生と小学生の多文化ワークショップ
“ひょうたん島ワークショップ”無事終了しました!」
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今年で2回目を迎えるひょうたん島ワークショップが8月6日(金)、7日(土)の2日間にわたり、南町スポーツ・文化交流センターの“きらっと”で開催されました。
市内在住の3年生以上の小学生49名と留学生20名が参加し、パスポートを手に「ひょうたん島」に入国したあと8つのグループに別れて活動しました。初日の多言語活動では『桃太郎』の多言語劇を一場面ずつ留学生の言語(今年は中国語・台湾語・韓国語・インドネシア語・モンゴル語・キシー語・フランス語)で演じました。2日目は、前日と同じ仲間と共に、文化の異なる人と楽しく暮らすことのできる架空の島(ひょうたん島)の地図を作る活動を体験しました。
初め緊張ぎみだった子供たちも留学生の優しい声かけとリードで徐々にリラックスして、セリフや外国語の挨拶を覚えていくうちに打ち解け、2日目には、子供らしいアイデアいっぱいの素敵な地図を描いてくれました。終了後は留学生・小学生の双方から「参加して良かった」、「楽しかった」という声を沢山いただけました。この共同作業を通じて子供たちは、短時間とはいえ異文化に触れ、「外国」に興味を持てたようです。これが、将来国際交流やボランティア活動に参加するきっかけとなればこれもまた大変素晴らしいことだと思います。
最後に今回の企画は、留学生や当日ボランティアの皆様、文化振興課の水口主事、“きらっと”の職員の方々、暑い中お子様の送り迎えをして下さった保護者の皆様など総勢150名あまりの方々に支えられて成功できたものだと思います。御協力有難うございました。(NIMIC会員 梅田美保子)
★昨年の様子がNIMICのHPでご覧になれます。
→http://www.nimic.jp/jpn/event/hyoutanjima.html
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┏ [4] 展示報告 留学生世代横断交流展示
「世界の留学生と市内の小学生が描いたひょうたん島を見に行こう!」
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8月19日(木)から21日(土)までの3日間、パネル展「世界の留学生と市内の小学生が描いたひょうたん島を見にいこう!」が田無駅前のアスタ2Fセンターコートで開催されました。
会場には、島の地図とともに、たくさんの写真、桃太郎の多言語劇で使った衣装なども飾られ、初日から、ワークショップに参加してくれた多くの小学生が家族を伴って来てくれました。お世話になった留学生に手紙を持ってきてくれたお子さんもいて、本当に楽しかったことがうかがえてこちらまで嬉しくなりました。
また20日、21日の午後には、留学生によるミニコンサートやミニ語学講座も行われました。フルートの優しい音色、広大な大地を思わせるような二胡の響きに感動し、音楽の持つ力をつくづくと感じさせられました。こうした機会が今後もあるといいと思います。ミニ語学講座では、北京語と上海語の違いを学んだり、ファーストフード店での会話なども披露され、とてもためになる楽しいひと時でした。
会場にはNIMICの活動紹介パネルも展示され、連日たくさんの人々が会場に足を運んでくださる中で無事終了することができました。関わってくださったみなさまに心から感謝の気持ちでいっぱいです。(NIMIC会員 小峯郁子)
★パネル展示の様子がNIMICのHP でご覧いただけます。
→http://www.nimic.jp/hyotanjima/index.html
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┏ [5] 報告 「韓国からNIMIC視察に来訪
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8月24日(火)11時前に、韓国京畿道家族女性研究院から田慶淑家族保育青小年研究部長(女性)が、東京大学の院生で社会学を専攻している学生を通訳として連れて訪問されました。
NIMIC側は、副代表の山辺、木下、相談員の谷口が応対しました。山辺副代表が、NIMICの活動全般のお話をし、団体や子ども日本語教室等の案内パンフをお渡ししました。以前、種村理事が作成した活動写真集も使って全体のお話をしたので、わかりやすかったようです。
田部長の関心の中心は、子ども日本語教室で、ボランティア養成講座の内容や、周囲との連携等についても色々質問をされ、途中、3階で開いている教室の見学もされました。当日は、体調不良などで休んだ子どもがいたので、6年生2名の出席でしたが、楽しく学習している様子を満足気にご覧になられました。
田部長はたっぷり12時過ぎまで滞在され、熱心に質問をされ、多様な活動を市民ボランティアが展開していることに、少なからず感銘を受けられたようでした。
この後は文科省にも行かれるとのことでしたが、民間の私たちNIMICの活動が、海外の活動の参考にされることは嬉しいことです。(NIMIC理事 木下 伸子)
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┏ [6] 報告「外国籍市民の方へ 総合防災訓練に参加しませんか」
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9月5日(日)谷戸小学校で総合防災訓練を実施し、外国籍市民とボランティア合わせて16名が参加しました。
市内の日本語教室、NIMIC、通訳ボランティアの方にご協力いただき、訓練の説明などを多言語でフォローしていただいたため、外国籍市民の方も安心して訓練に参加することができました。
訓練会場では、消火訓練、応急救護訓練、避難所運営訓練、炊き出し訓練などのほか、防災センターにいる多言語ボランティアと電話相談を行う応答訓練を行いました。
火事などの災害が起きた時に、現場に普段見慣れない制服を着た人が大勢集まるため、外国籍の方は不安に感じるという話を聞くことがあります。
震災の多い日本だからこそ、総合防災訓練では、多くの関係機関が一堂に集まり、連携して訓練を行います。今回総合防災訓練に参加することで、災害時にはこんなところで生活し、こんな人々が集まるんだということを見て、感じることができ、不安を取り除いたり、防災のための準備をすることができたのではないでしょうか。
また、防災センターではNIMICにご協力いただき、Web情報(西東京市HP)の多言語化訓練や電話相談の応答を行いました。
災害時には行政と地域と個人の連携が大切です。
総合防災訓練は毎年実施されますので、来年もぜひご参加ください。
ご協力いただき、ありがとうございました。
(文化振興課 水口紅美子)
★昨年の様子がNIMICのHPでご覧になれます。
→http://www.nimic.jp/jpn/event/090906bousai.html
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┏ [7] NIMIC理事会だより(9)
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8月は理事会がありませんので、理事会だよりもお休みです。
【通訳ボランティア対応】
2010年4月1日から、センターが開いている時間帯は以下の多言語対応をしています。
英語 月・水・木・金曜日、第1火曜日(午前10時〜正午)
中国語 月・金曜日
9月の予定(上記以外)
台湾語 10日、24日 午後2時〜4時
韓国語 3日、17日 午前10時〜12時
9月は第一火曜日午前の英語と24日午前の中国語はお休みです。
英語、中国語、韓国語でのサポートが必要な方がいらっしゃいましたら、ぜひ、この情報を提供してください。
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┏ [8] 世界の国々・人々 多文化に生きる(13)
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「世界の国々・人々」と題したこのコーナーでは、ある国にスポットをあて、その国の文化・人々との交流を、不定期ですが、いろいろな形でお届けしていきます。
現在、オーストラリア・国立マッコーリー大学 元日本学科長チャオ・埴原 三鈴先生によるエッセイを連載しています。
多文化に生きる
13回
オーストラリアの大学で日本を学ぶ学生の指導に当たって30年以上になる。18歳から数年、ティーンから大人になるこの過渡期の学生に接して、教えられることが多い。
アレンは大学にすら入れない成績であった。うちの学部入学には高校卒業試験指数最低85が必要。彼は50にも満たなかった。でも高校時代から勉強した日本語が好きで、どうしても日本語だけは取りたいと面接に来た。聡明な学生であることは話して分った。何故このような成績になったのかは聞かないまま、日本語学科の仮入学を許可した。
もし成績がよければ正規学生になれる。クラスで彼の成績は抜群であった。二年目には問題なく正規学生になり、四年目に名誉課程に進んだ。成績優秀な学生にのみ許される研究過程である。彼はちょくちょく私の研究室にも顔を出していたので、卒業したとき、「今だから聞くけれど、高校卒業試験はどうしてあんな成績だったの?」と聞いた。最初はテレて云おうとしなかったが、最後にぽつりと話した。誰よりも尊敬し、愛していた父が卒業試験直前に急死した。もう総てどうでもよくなった。勉強もほっぽり投げた、と話してくれた。「ああ、あの時特別許可を下ろしていなかったら、大学入学もできず、この子はどうなっていたであろう。」教育者としての責任の重さに震憾とした。
アレンは名誉課程をファースト・クラスで卒業した。この資格を取ると修士課程なしに博士課程に進める。通知を受け取って数日後、彼は満願の笑顔で研究室に来た。「お父さんもこの大学でファースト・クラスを取ったんだよ。だから嬉しくて嬉しくて。まずお母さんとシャンペンで乾杯して、それから友達とお祝いのしっぱなし。」まだ少し酔っているのか足元があやうかった。
僅か21歳でアレンは博士課程に入った。海外援助に特に興味をもっていたので、研究課題として「アジアにおける日本の海外援助」を勧めた。ところが彼は「日本がODAなどでアジアに金をばら撒くのは、結局は自国企業の営利目的だけ。援助なんて名前ばかり。」という。オーストラリア並びに西欧諸国一般に存在する固定概念である。そう思うのなら、それが本当かどうか自分の眼で確かめてみたら、という私の提案に彼は同意した。自分の眼でみるためには現地に行く必要がある。日本領事館のお世話によりラオスで活動する日本のNGOで預かっても
らう段取りができた。
ラオスに一年、帰国したアレンの考えは変わっていた。日本の海外援助が必ずしも「日本企業の手先」ではない。アレンにとっては意外な発見であった。日本のNGOメンバーと共に活動して彼等の熱意と誠実さに感銘した。いつの間に彼もNGOの一員となって活動に加わり、国際機関向けの報告など率先して製作した。アレンは今、若き研究者として日本の海外援助の実態など国際会議で発表している。日本人が発表するより説得力がある。日本のイメージ向上に大きく貢献してくれていると、私も嬉しい。
* 文中「アレン」は仮名
(チャオ・埴原三鈴〈Misuzu Hanihara Chow〉)
★これまでに掲載したエッセイのバックナンバーは、NIMICのHPで
ご覧いただけます。
→http://www.nimic.jp/jpn/magazine/essay_1.html
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┏ [9] キーワードを読む
「多文化共生」について理解を深めるために(48)
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NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
第48回目は、ネイティブ・インディアンの作家の自伝的作品をご紹介します。
『はみだしインディアンのホントにホントの物語』
シャーマン・アレクシー作 エレン・フォーニー絵 さくまゆみこ訳
小学館 2010年2月邦訳出版 ¥1500
ワシントン州ウェルピニットにある先住民保留地で生まれ育ったスポケーン族の少年アーノルドの話。保留地は美しい土地にあり一族みな親戚のようなスポケ−ン族の社会なのですが、まともな仕事がなく貧しさから抜け出せない。希望の持てない暮らしの中で、多くの若者が酒に絡んだ事故やけんかで死んでいく社会でもあります。
幾何の先生に勧められて、アーノルドは保留地の外のハイスクール、リアダン校へ転校するのですが、わずか35キロ先のそこは金持ち白人しかいない別世界でした。日中のリアダン校での暮らしと保留地の家での暮らし、どちらからもはみだしているアーノルドなのです。(原題は“The Absolutely Diary of a Part-time Indian.”)
取り巻く環境以外にも、アーノルドには水頭症の後遺症があり、身体がアンバランスでけんかに弱く、人間サンドバックのごとく殴られたりもしますが、本が好きでマンガを描く明るい少年です。少年時代をともに過ごした親友ランディや、リアダン校で友達になったかわいい女の子や天才君など……決して希望を失わずに、様々な出会いを重ねていくアーノルドの波乱万丈の人生は、手に汗握る面白さです。
作者自身の自伝的作品で、ボストングローブ・ホーンブック賞他多数を受賞。本人いわくこの本の「78%が事実」だそうです。
(NIMIC会員 根本百合)
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┏ [10] 2010年度・今後の事業予定
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※詳細は随時お知らせします。
2010年
9月23日 「二胡体験講座」
9月24日、10月1,8,15日 「日本語ボランティアフォローアップ講座」
11月13日〜14日 市民祭りに出展
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今回のNIMIC通信は、いかがでしたでしょうか。 みなさまのご意見、ご感想をお待ちしております。 メールはこちら→ info@@nimic.jp(@マークをひとつ削除してお使いください) ★NIMIC通信のバックナンバーはこちらから。
http://www.nimic.jp/jpn/magazine/back_number.html --------------------------------------------------
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