西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.34(2009年2月)
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┏ [10] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(30)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 30回目の今回ご紹介する本は、山形弁を話すアメリカ人タレント、ダニエル・カールさんが書いた本です。

『ダニエル先生 ヤマガタ体験記』
   ダニエル・カール著  2000年 集英社文庫 440円

 著者はご存知のように、いまやテレビの旅番組などでもすっかり日本の風景に溶け込んでいて、違和感がありません。
 カリフォルニアで生まれ育った著者は、小学生の時日本に興味を持ち、中学で空手道場に通い、高校の交換留学生として奈良県智弁学園で1年間すごし、柔道で初段黒帯を取りました。帰国後は大学で国際研究を専攻、その間にも1年間は日本へ留学、大阪や佐渡島で過ごした。この時点ですでに日本語の達人。そして、大学卒業後に就いた仕事が日本文部省の英語指導主事助手、山形県の教育委員会に配属されて3年間を過ごす間に日本人女性と結婚しました。
 その山形で過ごした3年間を中心に、小学校時代から東京へ出たあとのタレント生活まで、さまざまなエピソードが入っています。
 言葉のことはまったく心配していなかったのに、山形に着いたら「えっ?」・・・山形の方言観察が実に面白いです。会議や挨拶は全部標準語なのに、終わって宴会のお酒が入ったとたんにワァーッと方言の嵐。
 その他にも、男女交際や日本の教育とアメリカの教育についてなど、アメリカ人の目に映った日本の姿について書かれています。
 著者が山形で暮らしたのはもう20年以上前、日本も日々変化しており懐かしさを感じてしまう部分もありますが、依然として変わらない部分も多いと思います。〈温かい心の交流は小さな生活習慣の違いなど吹き飛ばす〉〈どんどん積極的に働きかけてみようよ〉〈日本国内にも多様な文化があるよ〉こんな様々な思いが温かく渦巻いているような感じがする本です。
 残念ながら現在出版社に在庫なし、重版未定なので、図書館で借りるか古書店でお求めください。
  (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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