西東京市多文化共生センター
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     NIMIC通信 No.35(2009年3月)
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┏ [8] キーワードを読む
    「多文化共生」について理解を深めるために(31)
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 NIMIC設立の理念の中で大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる本の紹介を始めました。
 31回目の今回ご紹介する本は、オーストラリアを舞台とする自伝です。

『バートの旅 —オーストラリアの大地をゆく—』   2001年邦訳 1,500円
     アルバート・フェイシー著 大坪眞子訳 清流出版

 原題は“A FORTUNATE LIFE”。1894年に生まれたバートは2歳で父を失い、祖父母や伯母夫婦に育てられますが、8歳の時からよその家に住み込みで働き、自分自身の手で人生を切り開いた人です。
 バートの激動の人生とその人柄も魅力的ですが、それを取り巻く環境である移民、ゴールドラッシュ、農業開拓、牧畜、鉄道敷設と続くオーストラリア建国期の社会のさまざまなことが、内側から生き生きと描かれていきます。
 また、オーストラリアの気候や自然についても詳しく描写されていますが、「開墾中の農民の唯一の現金収入はフクロギツネの毛皮・・・」「アボリジニの蛋白源はカンガルー・・・」等の文もあり、フクロギツネもカンガルーも人間も絶滅せずによくぞ生きのびたとハラハラしながら読みました。ここまで激動の人生もすごいですが、それを“FORTUNATE”という著者の感性もまたすごいです。
 オーストラリアでは多くの方が外国語として日本語を学習し、留学や旅行で日本を訪れるので、私たちもボランティアの場でよくお会いします。この本は面白くて読みやすく、私たちがオーストラリアについて理解を深めるのに最適です。最後にオーストラリアの歴史や基礎知識がまとめてあるのも、大変便利です。
  (NIMIC会員 根本 百合)



 
 
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