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NIMIC通信 No.63(2011年7月)
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┏ [7] キーワードを読む
「多文化共生」について理解を深めるために(58)
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NIMIC設立の理念のなかで大きなウェートを占める「多文化共生」。この言葉をキーワードに、2006年9月号から多文化共生に関わる 本の紹介を始めました。
第58回目の今回はイタリア人が日本語で書いたエッセイ、夏休みに イタリア旅行をしようと考えているあなたの必読書です。
『パンのようにおいしいイタリア人』 新潮社 ¥1300 2005年
『いつも心にイタリアを』(同じ本を改題して文庫化) 新潮文庫 ¥460 2010年
アレッサンドロ・G・ジェレヴィーニ著 著者は1969年クレモナ生まれですが、そこはイタリア北部の 小さな町で、ヴァイオリン職人が住むストラディヴァリウスの故郷でも
あります。
ヴェネツィア大学の日本語・日本文学科を卒業して来日、 東大大学院で学位を取得し、よしもとばななや松浦理英子作品の イタリア語を数多く手がけています。
8年にわたる日本滞在の後、 韓国やアメリカでも生活し、現在は再び日本の早稲田大学オープン 教育センターでイタリア語を教えています。
本書は、2001~5年にNHKラジオ・イタリア語講座のテキストなどに 掲載したものをまとめて出版したエッセイ集です。内容はイタリアの家族の
あり方、男女関係、食事や言葉についてなどですが、日本事情を熟知 している著者の文章は日本人にわかりやすく、深い理解に基づく日本と イタリアの対比が実に面白いです。
他にエッセイ集『ボクが教えるほんとのイタリア』新潮社(文庫では 『食べたいほど愛しいイタリア』)と、日本語の小説『ファザーランド』 青土社があります。
(NIMIC会員 根本 百合)
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